研究課題/領域番号 |
17K10101
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荒木 来太 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (60768779)
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研究分担者 |
前馬 秀昭 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (10419335)
西村 良成 金沢大学, 附属病院, 講師 (50324116) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 肥満細胞 / 小児がん |
研究実績の概要 |
造血幹細胞移植は血液悪性腫瘍に対する免疫療法として広く普及し日常診療で実施されているが、その成績は十分に満足できるものではない。その理由は依然として移植後再発症例が見られることと、副作用である移植片対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)が制御できず生活の質を損い、場合によって致死的なGVHDを来すためと考えられている。これらの問題点を克服するためには人為的に抗腫瘍効果(graft-versus-tumor effect: GVT)を増強し、かつ最大の欠点である移植片対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)を制御した理想的な移植法を開発する必要がある。我々はマウスでの骨髄移植モデルを用いて移植後免疫反応に影響を与えている様々な細胞群を特定し、また細胞培養により人為的に作成し骨髄移植と併用することで新しい免疫療法の開発を目指してきた。本研究において着目した肥満細胞は一般的にはIgE依存性アレルギー反応のエフェクター細胞だが、我々はGVHD病変の重症度に応じて標的組織における肥満細胞数が著しく異なることを見出した。また、マウス骨髄移植モデルを用いて、肥満細胞の有無によるGVHDの重症度を比較したところ肥満細胞欠損マウスでは野生型と比較し重症のGVHDを発症することが明らかとなった。このことから肥満細胞を大量培養し骨髄移植と併用することで致死的GVHD発症リスクの少ない免疫療法へ改変できる可能性が判明した。蛍光標識されたドナーと同系統のマウスから作成した培養肥満細胞を骨髄移植モデルを用いて輸注し体内動態を検討したところ、移植後比較的早期から脾臓において検出され、その後経時的に減少するものの移植後100日を超え長期に検出可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
造血幹細胞移植における肥満細胞の役割に関する知見が得られつつある。また培養肥満細胞の体内動態から輸注した培養肥満細胞の長期生存が確認され免疫療法として応用できる可能性が高まった。
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今後の研究の推進方策 |
培養肥満細胞によるGVHD重症度に対する影響を検討、整理する。また、これまで我々の研究グループが研究対象としてきたCytokine-induced killer cells(CIK細胞)を用いた移植との併用可能性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度において、既存の実験器具にて賄えた部分があったため次年度使用額が生じた。新たに実験試薬が必要になっており、次年度請求分と合わせその購入費とする予定である。
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