食細胞からの活性酸素(ROS)の低下にて易感染性のみならず、肉芽腫や腸炎を合併する慢性肉芽腫症(CGD)ではROS産生のない食細胞が異常な免疫をきたすことが予想された。そこでROS産生に起因する食細胞での炎症関連の発現の違いを検討したが、今回検討では明らかな違いはみいだせなかった。また食細胞の一種である好中球の成熟障害を来す疾患での検討では、成熟障害を来すクローンは正常の好中球分化に影響を与えなかった。一方、特殊腸炎疾患の検討では肉芽腫を伴う腸炎に獲得免疫異常の関与が確認された。以上からCGDにおいても獲得免疫に異常が病態に関与する可能性が推察され、重要な知見が得られた。
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