• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

ビフィズス菌をプラットフォームとした経口がんワクチンの有効性の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K10109
研究機関大阪大学

研究代表者

橋井 佳子  大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60343258)

研究分担者 白川 利朗  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (70335446)
片山 高嶺  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70346104)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード腸管免疫 / ビフィズス菌 / パイエル板 / WT1
研究実績の概要

今回我々はBifidobacterium longum をプラットフォームとしてWT1 蛋白を表層発現させた新規経口がんワクチンを作製した。本ワクチンは腸内細菌本来の自然免疫の活性化と発現しているWT1蛋白による獲得免疫の両方の活性化により抗腫瘍効果を発揮すると考えられる。本研究は本ワクチンの抗腫瘍効果を発揮する機序を解明した。
①Bifidobacterium longum をプラットフォームとしてWT1 蛋白を表層発現させた経口ガンワクチン(BL 420)の作成しWT1蛋白の発現をウエスタンブロットで確認した。②BL420内服マウスではB longumより有意にマウス白血病担がんモデルマウスで抗腫瘍効果を認め、短期から長期にわたった。コントロール群と比較してB longum野生株においても腫瘍接種後早期には腫瘍縮小効果が認められた。③マウス腸管を採取しB longum特異的プローブを用いてFISH法によりB longum局在性を検討したところ、小腸腸管管腔、パイエル板にB longumを検出することができ本ワクチンが小腸に到達していることを明らかににした。また同じくFISH法でマウス小腸パイエル板中の樹状細胞活性化マーカーであるCD103+樹状細胞にBL420を検出した。④パイエル板、小腸粘膜にてB longum内服マウスリンパ球中にIFN-γ産生が見られた。一方、パイエル板のみにBL 420特異的にIFN-γ産生が認められた。以上のことからBL420はパイエル板からCD11c+CD103+樹状細胞に取り込まれ、活性化させる。この樹状細胞がCD8T細胞を活性化、WT1特異的キラーT細胞が産生され、抗腫瘍効果を発揮することを明らかにした。またBL420はB longumにより自然免疫と獲得免疫を両方を活性化させることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 小児がん治療の晩期合併症を回避するために~免疫療法の確立2020

    • 著者名/発表者名
      橋井佳子
    • 雑誌名

      Bio Clinica

      巻: 35 ページ: 145~150

  • [雑誌論文] WT1蛋白を標的とした新規免疫療法の開発ペプチドワクチンから人体最大の免疫組織 腸管をいかした経口がんワクチンへ2020

    • 著者名/発表者名
      橋井佳子
    • 雑誌名

      Precision Medicine

      巻: 3 ページ: 80~85

  • [学会発表] WT1-targeteing immunotherapy in children with refractory cancer2020

    • 著者名/発表者名
      橋井佳子
    • 学会等名
      日本小児血液がん学会
    • 招待講演
  • [学会発表] WT1蛋白を標的としたがんワクチン治療の現状とあらたな展開2020

    • 著者名/発表者名
      橋井佳子
    • 学会等名
      日本小児科学会
    • 招待講演
  • [産業財産権] 経口腫瘍ワクチンと免疫抑制阻害剤との併用によるがん治療2017

    • 発明者名
      白川利朗、橋井佳子
    • 権利者名
      白川利朗、橋井佳子
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2018-558975

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi