本研究では予後不良であるFLT3変異陽性急性白血病の薬剤耐性を克服することを目的に、薬剤耐性に至る分子機構を解析することを通して、新しい治療標的分子を同定した。この研究では網羅的スクリーニングを通して、ケモカインCxcl12がFLT3変異陽性急性白血病の薬剤耐性を変化させる分子候補としてRunx1という転写因子を同定した。そして、その発現変化が薬剤耐性に機能的に関わることを見出した。本研究の結果、薬剤耐性を引き起こすRunx1分子を新しい治療標的とすることが予後不良なFLT3変異陽性急性白血病の薬剤耐性を克服し、更には患者さんの予後を改善することに結びつくことが見出された。
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