研究課題/領域番号 |
17K10126
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
志田 泰明 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10721566)
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研究分担者 |
野上 恵嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50326328)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 血流 / shear stress / 血管内皮細胞 / 第VIII因子 / von Willebrand 因子 |
研究実績の概要 |
HUVECsを用いて層流、乱流のパターンかつ流速がhigh, lowのパターンで,血流がHUVECsに及ぼす影響を、血流下培養後に固定したのち、免疫染色を行ない、1)細胞形態変化の観察 2)細胞骨格の変化の観察 3)FVIII, VWFの発現量、発現形式の検討を行なった。【結果】1)層流では細胞形態の変化が血流に沿っておきやすく、乱流では一定の方向性をみない。おそらく乱流方向に沿って変形していると思われる。層流でも 血流がhighの方がlowに比べてその傾向が顕著であった。 2)形態変化にともない、細胞骨格の変形が認められた。細胞が一見変化していなくても、low の血流であっても、血流がかかる事により細胞骨格の変化は認められた。これは骨格の変化が先におこり、その後目視できる形態変化に繋がるものと思われた。3)FVIII、VWFは層流では血流が速いほど発現が増加した。一方乱流では発現が消失していた。これは発現が低下していた可能性もあるが、発現したものの、血流の刺激で血管内皮細胞からタンパクが放出された可能性も考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
循環ポンプの動作不良の為に繰り返し実験の中断をせざるをえなかった。しかし現在ようやく血管内皮細胞を長期に培養するシステムが確立された。
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今後の研究の推進方策 |
生体内での様々な血管の環境を想定して、high の血流の中でもhighに加えて very highも検討する。血管内皮細胞からのFVIII, VWFの発現、分泌の状況を把握する為に、培養液中のFVIII、VWF濃度も測定する。またFVIII, VWFだけでなく組織因子やトロンボモデュリンなどの細胞の「向」および「抗」血栓性の性質を評価していく事で、さらなる血流に対する血管内皮細胞の応答様式を解明していく。
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