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2019 年度 実施状況報告書

光干渉断層法を用いた先天性心疾患患者の狭窄性病変に対する組織学的診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K10145
研究機関愛媛大学

研究代表者

高田 秀実  愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (10363227)

研究分担者 檜垣 高史  愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (60253308)
打田 俊司  愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (10246556)
西村 和久  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70432789)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード光干渉断層法 / 先天性心疾患 / 肺動脈狭窄
研究実績の概要

本研究は先天性心疾患における狭窄性病変に対して光干渉断層法(Optical Coherence Tomography; OCT)を用いて、血管組織の画像的評価を行う研究である。本研究では、先天性心疾患患者の肺動脈病変、特に狭窄性病変でどのような血管変化が起こっているのかをOCTを用いて観察する。先天性心疾患においても血管狭窄病変は多く見られる病態であり、その組織的評価を行うことは、狭窄が起こる機序の解明のみならず、今後の予後を予想する上でも重要性が高い。狭窄性病変での血管変化、肺高血圧患者の血管変化を既知の病理所見との比較等を通して評価する。
一昨年度(研究初年度)は、院内の倫理委員会の審査を経て、研究開始を開始した。1例の患者に対して、本研究を行った。肺血管の病変はある程度まで観察することが可能であったが、十分に観察出来たとはいえなかった。これはOCTが通常観察対象としている冠動脈と本研究で観察対象としている肺動脈の解剖学的な相違に原因があると考えられた。具体的には肺動脈において、冠動脈と異なり血管カテーテルを楔入し赤血球を除去することが困難であった。
昨年度(研究2年目)は、本研究が本研究で使特定臨床研究の対象となったため、特定臨床研究の承認を得たうえで研究を開始した。2例の患者に対してOCT検査を施行した。前年度での知見を参考に血管内の赤血球除去に対して工夫を行うことにより、明瞭な画像を得ることができたものの、評価に耐えうる品質の画像を得られたとは言い難い状況である。これは、先天性心疾患の形態異常が多様であり、良好な画像を得るために必要な赤血球除去が症例によっては困難であることに起因する。
この問題点については更なる工夫を検討中である。昨年度は5例の患者に本研究を施行予定であったが、患者都合(感冒など)によりカテーテル検査自体が延期されたことにより、2例の施行にとどまった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに3例の患者に対して本研究を試行した。初年度の研究で鮮明な画質を得ることが困難であることが判明、工夫を重ねているが、評価に耐えうる画像を得ることが難しい状況である。OCTでは対象血管における赤血球除去が重要であるが、肺動脈においては通常の方法ではそれが困難であったためである。方法の調整を行い、初年度の結果よりは鮮明な画像を得ることが出来ており、研究の質は向上しているものの、十分とは言い難い。
そのため、対象を厳密に選定する必要が生じており、肺動脈狭窄を有する患者であれば、全ての患者が対象とするわけにいかなくなっている。
また患者に同意を得えて、研究施行予定であった患者が5名いたが、感冒などでカテーテル検査自体が延期されたため、研究施行に至らなかった点が研究の遅れを生じた原因と考えられる。

今後の研究の推進方策

今年度は5例の患者に対して研究を計画している。患者候補の抽出については、各主治医の協力も得ており、同意に関しては概ね問題なくすすむものと考えている。現時点では3名の候補患者がおり、あと1-2名の新たな患者を見込んでいる。また、カテーテル検査時に内科医の同席を依頼しており、OCT検査がスムーズに施行出来るような環境を準備する。
患者の状態変化(感冒、病態悪化)が生じた際は研究をすすめることは困難であり、この点に関してはやむを得ないものと考えている。
なお、新型コロナウイルス流行の影響により、すでに研究に影響が及びつつあるが、この問題に関しては、現時点でどのような経過をたどるかが不明であるため、今後の経過に留意して、適宜計画を調整していく。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画では年間数名(3-5名)程度の患者を見込んでおり、OCTカテーテルの使用に多くの予算を充てる予定であった(約150000円/本)。しかしながら患者都合(感冒など)で検査自体が延期されたため、予算が次年度に持ち越された。

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公開日: 2021-01-27  

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