研究課題/領域番号 |
17K10146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石井 加奈子 九州大学, 大学病院, 特任講師 (90400332)
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研究分担者 |
酒井 康成 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10380396)
内海 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (80253798)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 先天性門脈体循環短絡症 / 全エクソーム解析 / 肺高血圧 |
研究成果の概要 |
先天性門脈体循環短絡症(CPSVS)は門脈系から体静脈系へ注ぐ短絡血管を有し、肺高血圧、肝性脳症、肝臓腫瘍など重篤な合併症をきたす致死的な稀少疾患である。CPSVSの疾患責任遺伝子を同定するために、13名のCPSVS患者に全エクソーム解析を施行した。全患者で共通する遺伝子異常は同定できなかった。また、マウスで静脈管開存症の疾患責任遺伝子として既に報告されたAHR遺伝子、AIP遺伝子、ARNT遺伝子にも変異を認めなかった。一方、多くのCPSVS患者において異なる疾患の責任遺伝子にヘテロ接合型変異が同定された。
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自由記述の分野 |
小児内分泌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CPSVSは致死的な合併症を起こす重篤な疾患である一方、稀少疾患であるため情報が少ない。臨床経過と治療効果をまとめた発表論文の掲載は、本疾患の存在を広く認知させ、シャント閉鎖を含む治療方針決定の一助になった。また、これまでCPSVSの遺伝子変異解析を行った報告はなく、本研究が世界初である。遺伝子型と表現型(合併症、自然歴、予後)との関連性を解明することで、患者マネージメントのさらなる向上が期待できる。また本研究の遺伝学的知見は、早期診断マーカーの開発、遺伝子治療を目指すトランスレーショナル研究の基盤構築に貢献できる。
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