糸球体腎炎の予後や治療は、腎生検による腎組織の重症度によって決定されることが多い。腎生検は入院を要する侵襲度の高い検査であり安易に行うことは難しい。ボウマン嚢上皮細胞の活性化マーカーであるCD44について、尿中CD44 mRNAの発現を解析したところ、蛋白尿や組織重症度との相関が認められた。尿中CD44 mRNAは尿検体から測定することが可能であるため非侵襲的で、いつでも簡便に複数回測定することが可能である。治療の経過中に測定すれば、病勢の評価、治療方針の決定などに役立てることが可能となり、患者の病状に合わせた治療を計画することができる。
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