研究課題/領域番号 |
17K10156
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
浦島 崇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20338875)
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研究分担者 |
角田 亘 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (00453788)
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (80338889)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 右心不全 / ラット / リバースリモデリング / 高蛋白食 |
研究実績の概要 |
右心不全モデルラットを用いて圧負荷の解除と高蛋白食投与によるリバースリモデリングのメカニズムの検討を行った。高蛋白食はダイエットや健康食ブームによりコンビニなどで気軽に手に入れることができるようになった。骨格筋肥大には筋トレと高蛋白食が有効であるが心筋・心不全への影響はほとんど検討されていない。心不全モデルラットを用いて高蛋白食がリバースリモデリングを介した心機能へ与える影響を明らかにするため研究を行った。 【方法】100-150gのSDラットに肺動脈絞扼術(PABモデル)を施行し右室圧負荷モデルを作成した。術後1-2週に心エコーを施行し右室―肺動脈の圧差が3.5m/s<を成功例(n=9)として高蛋白飼料(粗蛋白50%)の投与(PAB+HP)を開始した。術後4週に心エコーを施行後、組織学的な検討を行った。コントロールはPABモデルに精製基礎配合(粗蛋白21%)を投与した群(PAB+RP)とshamモデル(非肺動脈絞扼術)に高蛋白食資料を投与した群(sham+HP)とした。 【結果】右室心筋重量は480±58mmHgでPAB+RP;415±39, sham+HP;180±29と比較して有意に肥大していた。術後4週のエンドポイントにおいてPAB+HPは9匹中8匹が生存しKaplan-Meier生存曲線で有意に生存率が高かった。【考察】高蛋白食は心負荷による心肥大を助長したが、心負荷の無い状況では心肥大を惹起しなかった。左心負荷モデルでも高蛋白食が生存率を改善することが報告されており分子生物学的・組織学的な検討を加える必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年4月ー7月は新型コロナウィルスの影響で研究施設使用の制限があり、また研究助手の通勤が困難で研究を遂行出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
高蛋白食によるリバースリモデリングのメカニズムを分子生物学的に評価を行う。モデルラットの作成を継続し抽出RNAを用いた遺伝子発現の検討と電子顕微鏡での微細形態を詳細に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの流行により研究計画が大幅に遅延した。心筋の組織学的評価、分子生物学的評価のための試薬の購入と学会参加費用に使用する予定である。
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