研究課題
Lowe症候群の家系および「尿細管性蛋白尿を呈する遺伝性疾患の全国調査」で把握したLowe症候群の家系を対象に、患者家族より文書による同意を得たうえで臨床症状の集積ならびに、遺伝子検査未施行例においては直接DNAシークエンス法、もしくは、次世代シークエンサーによる全エクソーム解析を行い、OCRL遺伝子解析を行った。追加調査および新規症例の集積により、69例のeGFRが検討可能であった。全例男性で、年齢の中央値は12歳(IQR 6-27)であった。年齢とeGFRは強い負の相関を示し(r2=0.64, p<0.0001)、30-40代で末期腎不全に至る例が多いことが示唆された。腎石灰化や腎尿路結石の有無によるeGFR低下速度の差はみられなかった。末期腎不全(慢性腎臓病ステージ5、eGFR 15 mL/min/1.73m2未満)に至ったのは5名で、うち3名で腎代替療法が行われ、その内訳は血液透析2名、腎移植1名であった。遺伝子解析は48例で施行され、うち45例(94%)にOCRL遺伝子変異が同定された。このうち、詳細が判明しているのが41例で、ミスセンス変異13例、ナンセンス変異6例、スプライスサイト変異2例、フレームシフト変異12例で、いずれも既報通りにエクソン8以降の変異であった。残りの8例は広範囲欠失であった。遺伝子変異部位と臨床像に明らかな相関はみられなかった。Lowe症候群における成人を含む腎機能の解析はこれまで報告がなく、重要な知見と考えられた。
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