研究分担者 |
羽山 恵美子 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00349698)
古谷 喜幸 東京女子医科大学, 医学部, 研究生 (10424673)
勝部 康弘 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20246523)
中西 敏雄 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会(臨床研究施設・研究部門), 榊原記念クリニック, その他 (90120013)
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研究実績の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)に対する治療は小児科領域においても盛んに行われるようになった。治療として3つの経路を介する血管拡張薬が用いられているが、それら薬剤の心臓への影響に関する基礎研究はほとんど行われていない。本研究ではヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いてPAH治療薬の心筋への影響を調べた。 方法はMED64システムを用いて行った。MED64システムは微小電極アレイを用いた細胞外電位(Field potential: FP)計測システムで、MED probesの平面微少電極部分に接着拍動健常者iPS-心筋細胞を対象として、5種肺高血圧薬(Tadalafil, Sildenafil, Beraprost, Selexipag, Bosentan)による機能変化を解析した。 検討した薬剤濃度範囲においてBPMを最も増加させたものはSildenafilであった。Isoproterenol、Beraprostでは20%程度増加した。TadalafilはBPM を最も低下させた。Fridericia補正式により補正したFPDcFは5種肺高血圧治療薬ではFPDcFはいずれも低下した。本vitro研究で用いた薬剤濃度-機能変化と各薬剤のCmax値を比較した。TadalafilのCmaxに近い薬剤濃度(1μM, 5μM)で BPMは7%, 23%低下し、FPDcFは4%, 10%低下した。SildenafilのCmaxに近い薬剤濃度(1μM)では、 BPMは10%増加し、FPDcFは1%増加した。BosentanのCmaxに近い薬剤濃度(1μM, 10μM)では、 BPMは3%, 1%低下し、FPDcFは3%, 4%低下した。BeraprostとSelexipagは、臨床的に用いる薬剤濃度が低いため、CmaxにおけるBPMとFPDcFの変化は見られなかった。
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