研究実績の概要 |
【in-vitro】 ラット鼠径部の皮下脂肪組織からラットAdSCを採取した。このAdSC 5X10*4に各種濃度のスタチン(0,25,50,100,200μg)を抱合させたナノ粒子を共培養させ、トランスウェルインサートに播種した。これをラット肺動脈平滑筋細胞PASMC 1×10*5の入ったトランスウェルプレート内に静置し、72時間後にトランスウェルプレート底面からPASMCを剥離して細胞数をカウントした(増殖能評価)。スタチンナノ粒子濃度が100μg,200μg,50μg,25μg,0μgの順でPASMCの増殖を抑制した。またラットAdSC 2×10*4と増殖遊走促進PDGF(platelet-derived growth factor)-BB 15ngをトランスウェルインサート内に共培養させ、各種濃度のスタチン(0,25,50,100,200μg)を抱合させたナノ粒子を播種させた。ここにラットPASMC 2×10*4を播種し、18時間後にトランスウェルインサートの底面を剥離し、固定、DAPI液で染色後、蛍光顕微鏡で細胞数をカウントした(遊走能評価)。スタチンナノ粒子の濃度が50μgの場合に最も遊走が見られた。 【in-vivo】 モノクロタリンMCT投与によるラット肺高血圧モデルの作成を開始した。MCT投与3週目にすべての個体で心エコー検査上肺高血圧を作成しえたが、4週目には全個体の40%が死亡した。そのため、MCT投与3週目に①スタチンナノ粒子200μg+ラットAdSC 1×10*5投与、②コントロール群(PBSのみ投与)のそれぞれを静脈投する群を設定したが翌週に前動物が死亡した。
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