研究課題/領域番号 |
17K10163
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
根本 慎太郎 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20237811)
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研究分担者 |
伊井 正明 大阪医科大学, 研究支援センター, 講師 (10442922) [辞退]
岸 勘太 大阪医科大学, 医学部, 特別職務担当教員(助教) (20408503)
小西 隼人 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40821814)
島田 亮 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60795079)
永塚 健宏 大阪医科大学, 研究支援センター, 特別職務担当教員(助教) (10860083)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肺高血圧 / 脂肪組織由来幹細胞 / 薬剤徐放 / スタチン / 血管増殖病変 |
研究実績の概要 |
【in-vivo】 前年度まで採用していたモノクロタリン誘発ラット肺高血圧モデルから、低酸素飼育(10%の酸素濃度)と血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体拮抗薬(SU541、620mg/kg/週)静脈投与を組み合わせて肺高血圧を誘導するマウスモデル作成に移行した。開始3週間目以降には肺組織線維化および肺細小動脈平滑筋の肥厚と内腔狭窄等の動脈性肺高血圧に特徴的な組織所見を得た。この時点で無治療放置またはシンバスタチンナノ粒子内包PLGA抱合脂肪組織由来幹細胞(Statin-PLGA-AdSC)を静注し、更に3週間経過の後に治療効果を確認した。無治療群では肺高血圧に起因する右心室の内圧(=肺動脈圧)上昇と肥厚を認めた。一方、Statin-PLGA-AdSC投与群では投与細胞数依存的に有意な右心室圧と肥厚の改善を示した。 【in-vitro】 マウス鼠径部皮下から採取した脂肪組織からAdSCを分離回収し、各種スタチン濃度のStatin-PLGA-AdSCを作成した。無処置群で認められるラット肺動脈平滑筋細胞の増殖をStatin-PLGAは容量依存性に有意に抑制した。一方、遊走能試験ではStatin-PLGA-AdSCによる遊走抑制効果は一定ではなかった。 以上より、肺高血圧誘導マウスにおいてStatin-PLGA-AdSC静脈内投与は肺血管リモデリングを抑制し、生命予後に影響する肺動脈圧上昇と右室肥大が改善しており、肺高血圧治療薬としての治療効果が示された。
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