研究課題/領域番号 |
17K10169
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 助教 (30400360)
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研究分担者 |
齋藤 昌利 東北大学, 大学病院, 講師 (00451584)
北西 龍太 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20436116)
松田 直 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50361100)
渡邊 真平 東北大学, 大学病院, 助手 (70509413)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヒツジ / 胎仔 / subplate neuron |
研究実績の概要 |
極低出生体重児における中枢神経系合併症の病像は近年大きな変化を遂げてきた.1990 年代に注目された脳室内出血や嚢胞性脳白質損傷などの組織破壊性病変は母胎管理ならびに新生児集中治療の発達に伴って著しく減少した.その一方で,核磁気共鳴像 (MRI) を用いた詳細な画像解析の導入によって,びまん性脳白質損傷,脳灰白質容量の減少,脳回形成異常など,明らかな組織破壊を伴わず脳の構造的発達を変容させる病変が臨床現場で徐々に認識され始めている 本研究では,胎児期に大脳の皮質白質境界に存在して皮質形成に重要な役割を果たしているsubplate neuronに注目し,ヒツジ胎仔の慢性実験系を用いて,胎児期の炎症もしくは虚血がsubplate neuronの発達過程に与える影響を解析する.同時に,これら胎児期の炎症や虚血の結果として,これまで注目されてきた脳白質損傷のような組織損傷による脳障害だけではなく,大脳皮質の容量減少や脳回形成異常など正常な脳の発達とは異なった「脳発達の変容」に近い病変が誘導されるか,組織病理像とMRI画像に基づいて検討する. 平成29年度には7.0 teslaのMRI装置によって解像度とコントラストのよい画像が得られており,subplate neuron層の同定が可能であった.またMRI画像を用いて大脳皮質及び白質の容量測定と脳表面積測定,並びにsubplate neuron層の容量測定を行っている. 平成30年度には妊娠95日 (ヒト妊娠25週相当) のヒツジを用いて8回の実験を計画したが,2回は受胎が得られず,3回は子宮内胎仔死亡となり実験を完遂できなかった.そのため合計3回 (いずれも炎症負荷群) の実験から剖検組織を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度には妊娠95日 (ヒト妊娠25週相当) のヒツジを用いて8回の実験を計画したが,2回は受胎が得られず,3回は子宮内胎仔死亡となり実験を完遂できなかった.そのため合計3回の実験から剖検組織を得るにとどまった.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は統計学的に解析可能な数のデータを取得できるように実験を計画する.またsubplate neuron層における神経細胞全般を神経細胞の特異抗体Neu-N で免疫染色し,またその中のsubplate neuronを特異抗体であるNurr-1で染色することによって,subplate neuron層における神経細胞全般とsubplate neuronの密度解析を行ってsubplate neuronの損傷を解析する.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度には妊娠95日 (ヒト妊娠25週相当) のヒツジを用いて8回の実験を計画したが,2回は受胎が得られず,3回は子宮内胎仔死亡となり実験を完遂できなかった.そのため合計3回の実験からデータを得るにとどまった.そのため必要とした薬品や消耗品代金が少なく残額が生じた.次年度は当初の予定よりも実験数を増す必要があるため,生じた残額はその必要物品の購入費とする.
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