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2018 年度 実施状況報告書

周産期低酸素性虚血性脳症に対する新規二段階細胞療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10175
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐藤 義朗  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30435862)

研究分担者 湯川 博  名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (30634646)
長村 登紀子 (井上登紀子)  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70240736)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード新生児低酸素性虚血性脳症 / 幹細胞 / 新生児
研究実績の概要

新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)の新規治療法開発のため、HIEモデルラットに対しラット臍帯由来間葉系幹細胞(rUCMSC)を投与し、その動態の評価を行った。
まず、rUCMSCを量子ドット(QD)により標識した。量子ドットは、蛍光波長655nmのQD655と蛍光波長800nmのQD800の二種類を用いた。まず、QD標識後のrUCMSCに対しWST試験を行い、QDが細胞に毒性を及ぼすか評価を行った。その結果、WST-8添加前の吸光度(使用波長:480nm)の平均値は0.61±0.019、添加1時間後の吸光度の平均値は0.80±0.03であった。添加後の吸光度は添加前よりも高かったことから、QD標識がrUCMSCに及ぼす細胞毒性は極めて低いと考えられた。次に、QD655またはQD800で標識したrUCMSCを日齢8、日齢14、日齢33のHIEモデルラットにそれぞれ投与し、in vivo imaging systemで評価したところ、いずれのラットの頭部でも、蛍光シグナルは検知できなかった。しかしながら、採取した脳をex vivo imaging systemで評価したところ、1×10^6個/bodyの細胞を投与した日齢8のラットの脳において、QD655からの蛍光シグナルを検知することができた。一方、1×10^5個/bodyの細胞を投与したラットでは、いずれの日齢の脳からも蛍光シグナルは検知できなかった。このことから、1×10^6個/bodyのrUCMSCを投与した場合、細胞が脳に移行することが示唆された。
その後、切片を作製した後、共焦点顕微鏡を用いて組織学的に評価した。肺や肝臓の切片では、量子ドット由来の蛍光シグナルを発する細胞を認めた。一方、脳の切片では観察した限りにおいてはそのような細胞は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた投与した細胞の投与後動態を、量子ドットを用いた実験で行うことができ、投与後の細胞を確認できたため。

今後の研究の推進方策

今後は治療効果を検証するために、免疫組織学的評価を引き続き継続し、また、行動学的解析を行う予定である。また、ヒト臍帯由来のMSCをHIEモデルラットに投与し、同様の評価を行うことで、同種由来の細胞と異種由来の細胞による治療効果の違いを検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた効果の評価の一部が来年度になったため。
来年度に、効果の評価のためのラット代、免疫組織学的評価の消耗品等に使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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