研究課題/領域番号 |
17K10178
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
近藤 園子 香川大学, 医学部, 助教 (70437680)
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研究分担者 |
安田 真之 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (00380155)
小谷野 耕佑 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20437685)
三木 崇範 香川大学, 医学部, 教授 (30274294)
中村 信嗣 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (30437686)
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 新生仔豚 / 脳血液量 / 時間分解分光装置 / 新生児仮死 / 新生児蘇生法 |
研究実績の概要 |
最終年度は、これまでのデータ解析をまとめ、論文化作業を行った。すなわち、生後24時間以内の新生仔豚14頭を用いて、約40分間の低酸素虚血(HI)負荷をかけ、その後100%酸素で10分間蘇生した。脳血液量(CBV)と脳内Hb酸素飽和度(ScO2)は、時間分解分光装置(TRS)を用いてHI負荷前から負荷後6時間まで行い、負荷後5日目に臓器還流を行い、病理組織学的評価をHE染色で行った。本研究では、HI負荷後30分間以内のCBVが負荷後5日目の病理学的脳障害を反映するかを、ScO2と比較し検討した。その結果、CBVは負荷後10分、15分、30分で、その増加が病理学的脳障害重症度と有意に相関した。しかし、ScO2では相関は認めなかった。以上のことから、HI負荷後10分のCBV変化から、脳障害の重症度を予測することが可能と考えられた。また、臨床でも生直後からTRSを用いた脳血液量モニタリングを行う事で、生後早期に脳障害重症度を判定できる可能性が高いと考えられた(現在論文投稿中)。次に、この負荷後のCBV増加は、負荷中の変化とどのように関係するかを調べた。すなわち、HI負荷中のCBV変化と負荷後の変化の関係を調べ、同時に、心拍数、血圧、ScO2についても検討した。その結果、負荷中のCBV低下と負荷後6時間以内のCBV増加は有意な相関関係にあることがわかった。この結果より、負荷後CBV増加は、負荷中の脳循環変化を反映していると考えられ、そのモニタリングは、負荷中の循環状態を予測するツールとして有意義であると考えられた(論文投稿中)。
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