研究課題
本研究課題では早産児におけるビリルビン代謝と脳血管内皮の機能的成熟度を評価し核黄疸の児の成熟度による病態生理学的特徴を解明しその特徴を反映した早産児の機能的成熟度に応じた核黄疸予防管理方法を確立することを最終目標とする。早産児におけるビリルビン代謝の評価はビリルビンの産生・抱合・排泄能の発達学的変化を考慮する必要がある。特に臨床症例での検討ではビリルビン抱合能(UDP-glucuronosyl transferase活性)を血中抱合・非抱合ビリルビン比率で検討する場合、抱合ビリルビン排泄能の評価が必要である。MRP2/ABCC2は抱合型ビリルビン等の内因性物質や薬物等の外因性物質を肝臓外へ排泄するトランスポーターであるため尿中コプロポルフィリン比(UCP [I/(I+III)])の日齢・修正週数による変化を検討した。正期産児におけるUCP[I/(I+III)] は修正在胎週数(30~65週)と逆相関を示した。早産児(在胎25~32週、21例)では、生後24時間では高値でありその後、低下して生後1~4週間では一定値を示した。生後7日のUCP比の低下は生後の適応に伴うコプロポルフィリン I の肝分布の増加に伴う排泄増加と考えられMRP2の機能の間接評価として利用するのは生後2週以降が適切と考えられた。また、近赤外光topography(91 ch)を使用し脳循環のリズムを検討した。対象は早産児11例、正期産児81例を対象とし前頭回、運動野、補足運動野での安静状態におけるoxy-Hbとdeoxy-Hbの位相差の発達変化を検討した。その結果先行研究と同様に正期産児、早産児共に発達に伴い同位相→逆位相へと変化する領域もあったが、それぞれの領域特有の発達変化を示した。
3: やや遅れている
ビリルビン抱合能と脳血管内皮の機能的成熟度を評価を継続して行い、その発達的特異性に関する解析を行い、その関連性を検討する必要がある。
ビリルビン抱合能と中枢神経系の血管内皮細胞の機能的成熟度を同時に計測可能な症例を設定し血中抱合・非抱合ビリルビン比率とnear-infrared spectroscopy(NIRS)による脳循環の周期性変動の評価を継続的に行い、それらの発達的特異性に関する解析を行い、その関係性を検討する予定である。
ビリルビン抱合能と中枢神経系の血管内皮細胞の機能的成熟度を同時に計測可能な症例を設定し血中抱合・非抱合ビリルビン比率とnear-infrared spectroscopy(NIRS)による脳循環の周期性変動の評価を行ったが、測定結果の解析に時間が必要であるため。
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