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2019 年度 実績報告書

先天性サイトメガロウイルス感染症の予防を目的としたワクチン開発の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K10185
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

腰塚 哲朗  岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (20416267)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードサイトメガロウイルス / ユビキチン / Nedd4 / Itch
研究実績の概要

ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)UL42はC末端アンカー型の膜タンパク質であり、N末端側細胞質部分で宿主ユビキチンE3リガーゼNedd4ファミリーの一員であるItchと相互作用する。
HCMV UL42について、細胞内シグナル伝達に与える影響を検討した結果、UL42発現はAP-1の構成要素である転写調節因子c-JunおよびJNKのリン酸化を促進することが分かった。Itchはc-Jun/JNKシグナルを負に制御することが知られているため、UL42とItchの相互作用がc-Junリン酸化に与える影響を検討したが、Itchの量や活性の変化はUL42によるc-Jun/JNKシグナルの活性化には関与していない可能性が示唆された。一方でUL42を欠損したHCMVを感染させた線維芽細胞ではc-Junリン酸化に目立った変化はなく、他のHCMV遺伝子による影響が大きいと推測された。
本研究は水痘ワクチン株で変異のある遺伝子と共通の構造を持つHCMV UL42遺伝子の解析を通じて、CMVワクチン開発へと繋げる試みである。本研究により、HCMV UL42と相同的な構造や機能を持つ分子が、α、βヘルペスウイルス亜科に共通していることが分かった(HSV-1 UL56、VZV ORF0、HHV-6 U24)。いずれもNedd4ファミリー分子と相互作用し、そのユビキチン化状態や安定性を変化させたため、viral Nedd4 adaptorsと呼ぶことが出来る。今後はUL42およびその相同分子が個体における感染拡大や病原性発現に与える影響を明らかにし、viral Nedd4 adaptorsに変異を持つCMVワクチンの開発可能性を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Detection of engraftment of donor-derived antibody producing cells in a lung transplant recipient by anti-cytomegalovirus IgG avidity test2019

    • 著者名/発表者名
      Koshizuka Tetsuo、Matsuda Yasushi、Suzuki Hirotoshi、Kanno Ryoko、Ikuta Kazufumi、Kobayashi Takahiro、Kondo Takashi、Okada Yoshinori、Suzutani Tatsuo
    • 雑誌名

      Transplant Immunology

      巻: 53 ページ: 34~37

    • DOI

      10.1016/j.trim.2018.12.003

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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