研究課題/領域番号 |
17K10191
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
池野 充 順天堂大学, 医学部, 助教 (00567985)
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研究分担者 |
堀 正明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40334867)
奥村 彰久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60303624)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 拡散テンソル / NODDI / 早産児 |
研究実績の概要 |
H29年度の研究目標は①撮像条件の最適化、②正常モデルの構築、③試験的なデータ収集である。 ①撮像条件の最適化:従来より当院で行っていた撮像条件を新生児の撮像に合わせて微調整した。画像解像度や組織分解能と撮像時間は比例関係にあり、最適化によって7分半の撮像時間に設定した。本条件での撮像を行い、②、③の研究目標を遂行する間にも撮像条件の最適化は継続する。 ②正常モデルの構築:5例の比較的軽症な早産児の撮像を行った。軽症例(在胎週数が32週以上で出生体重1500g以上の症例)での撮像件数が予想より少なく、現時点での解析と評価が困難である。引き続き症例蓄積を継続する。 ③試験的なデータ収集:今年度は約30症例の早産、新生児症例についてのデータ集積を行った。それらのデータの解析はワークステーションで約7日の時間を要した。ワークステーションの導入は解析時間を大幅に短縮できた。今後は再構築した各種モダリティーの検討を行う予定である。比較のための正常モデルの構築が遅れていることが、本研究目標においても後れを生じさせている。また、各種のモダリティーはいずれも定量評価が可能であるが、各症例間の比較を行うべき領域の設定をどの様な方法で行うかが追加検討すべき事例として挙がった。脳の構造は本質的には同じであるが、その位置や大きさには個体差がある。比較する領域を客観的に設定する方法を検討する必要がある。症例の集積も60件を目標として継続する。 本年度の研究目標は追加検討が必要な事案が発生しているが、予定の7割が達成できている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究目標は①撮像条件の最適化、②正常モデルの構築、③試験的なデータ収集である。 本年度の研究目標は7割が達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はH30年の研究目標である④本撮像とデータ解析、⑤臨床経過と発達追跡、⑥妥当性と有用性の評価に、予定通り着手する。また、H29年度に得た試験的なデータの解析を急ぐとともに撮像方法の最適化、解析方法にフィードバックを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析に使用するワークステーションの見積もりを数社から得たが、当初の予算を上回る可能性がでた。現状は高度の処理が必要な部分を、大学内のワークステーションの空き時間に利用させてもらい、解析を行っている。来年度の予算と合わせて専用の機器を用意する。現状では得られたデータの管理に問題が残る。
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