研究課題/領域番号 |
17K10196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
杉江 秀夫 常葉大学, 保健医療学部, 教授 (60119980)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 新生児仮死 / 神経後遺症 / 脳性麻痺 / 脳グリコーゲン代謝 / グリコーゲンホスホリラーゼ |
研究成果の概要 |
新生児仮死に起因する神経学的後遺症の発症病態を、脳グリコーゲン代謝に注目して検討した。満期産児で5分後アプガースコア7以下の症例41例において後に神経学的後遺症(主に脳性麻痺)を残したCP群(23例)と定型発達のTD群(18例)に分類し、グリコーゲンホスホリラーゼ遺伝子の多型を2群間で比較した。またホスホフルクトキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼについてもあわせて検討した。対象とした遺伝子に遺伝子バリアントを複数認めたが、CP群TD群で比較したところ、PYGL、PFKPに統計学的に有意なgenotypeの差が(p<0.05)認められた。
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自由記述の分野 |
小児科学、小児神経学、先天代謝異常症
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳性麻痺は医療の進歩にも関わらずその発生頻度に顕著な改善はない。未熟児医療の進展に伴って超未熟児の生存予後が改善したことで、皮肉にも重症児の割合が増加している。新生児仮死は周生期の脳損傷の原因の一つで、低酸素、脳虚血による神経細胞の非可逆的損傷を引き起こす。今回満期産新生児仮死におけるCP群とTD群で解糖系酵素遺伝子の一部に有意な遺伝子型の差が認められたことから、これが神経学的予後のリスクを予測する一つのバイオマーカーとなる可能性が考えられる。新生児仮死児で本バリアントを有する個体に対して、早期の医療的介入(リハビリテーションなど)を開始する目安となることが期待できる。
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