研究課題/領域番号 |
17K10197
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山田 恭聖 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60405165)
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研究分担者 |
垣田 博樹 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40528949)
青山 峰芳 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (70363918)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | HPA axis / 自閉症スペクトラム障害 / 痛み / 早産児 |
研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症頻度はここ10年で2倍になっており、その機序解明と発症予防は緊急課題である。ASDの発症には視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPAaxis)の不可逆な機能不全が原因の一つとされているが、NICUにおけるストレスとASDの発症を関連付けた研究は今までにない。我々は早産児の唾液中のコルチゾールを継時的に測定することにより、痛みストレスのHPAaxisへの影響とASDの発症との関連を明らかにしようとしている。また動物実験を用いてその病態生理的な裏づけを行う。 今年度は、在胎週数32週未満で出生しNICUに入院した児(NICU入院群;ショ糖群+非ショ糖群)の修正32週、34週、36週、38週、40週、および正期産で出生しNICUに入院していない児(正期産群)の修正40週で安静時の唾液中コルチゾールをEIA法により測定する準備を行った。今後は、それぞれの群で退院後修正1カ月、4カ月、8か月、12か月、18カ月の定期の乳児健診において、同様に唾液中コルチゾールを測定する予定である。現在、臨床研究計画を作成し、倫理委員会申請準備を行っている。さらにこれらの児を1-3歳時点で自閉傾向が発症しないかどうかスクリーニングを行う予定で、現在そのスクリーニング精度を調整している。 また基礎研究においては、出生後2週間毎日一回の足底穿刺を繰り返すことで作成したモデルラット(痛みストレス群)と、足を保持するが穿刺を行わない群(SHAM群)、足の保持も行わない群(コントロール群)を作成し、生後2週齢、4週齢、6週齢、8週齢において、ヒトのコルチゾールに相当するラット血中コルチコステロンをEIA法で経時的に測定する予定であり、現在痛みストレスモデルラットの作成を行っており、安定したモデルが作成されようとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究の倫理的配慮への準備に予定より時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会承認され次第臨床研究に取り掛かる。またフォローアップ外来において自閉症スペクトラム障害スクリーニングの精度を上げる。 基礎研究に関しては、モデルラットがほぼ完成したため、介入試験に取りかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
基礎研究のデザイン作成、確立、パイロット的な実験に使用する。
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