研究課題/領域番号 |
17K10203
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
山本 明美 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30241441)
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研究分担者 |
村上 正基 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (20278302)
岸部 麻里 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90431410)
齋藤 奈央 旭川医科大学, 医学部, 研究生 (90736670) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 層板顆粒 / 表皮 / バリア / 電子顕微鏡法 / タイトジャンクション / 微細構造 / 3次元構造 |
研究実績の概要 |
表皮バリア機能の維持において必須の小器官である、層板顆粒の3次元微細構造を、ヒト頭皮皮膚をもちいて、focused ion beam scanning electron microscopy法により明らかにした(Yamanishi H, et al. J Invest Dermatol, 2019, 139(2):352-359)。すなわち、表皮顆粒層の上から3層目においては層板顆粒は細胞内で独立した小胞として存在するが、2層目になると網状構造に変化し、1層目ではほとんどが頂側の細胞膜と連続し、内容物を分泌していた。また表皮顆粒層の細胞ではトランスゴルジネットワークが広く網状に発達しており、ここから層板顆粒が形成されることが示された。この結果は、層板顆粒はトランスゴルジネットワークから連続性に細胞外領域へとつながる一連の構造であるとする以前の別の施設からの報告とは大きく異なっていた。現在、我々はこの成果をふまえ、層板顆粒の輸送に関連する分子の発現を抑制あるいは促進したときの影響を3次元培養皮膚をもちいて検討するための予備実験を行っている。 我々はまた、皮膚バリア機能の維持において必須の構造であるタイトジャンクションの3次元微細構造についても検討を開始した。すなわち、backscattered electron-mode scanning electron microscopyを使ったarray tomography法をもちいて正常ヒト表皮のタイトジャンクションの分布を調べ、タイトジャンクションは表皮の顆粒細胞層において1層目から3層目にわたって広く存在するという予備的な結果を得たので2019年5月8日から米国シカゴ市で開催される第77回年次大会において発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
層板顆粒の3次元微細構造を学術雑誌に投稿し、受理、公開された。我々の論文の画像は雑誌の表紙に採用された。 タイトジャンクションの3次元構造についても予備的な結果を学会にて発表予定である。 培養皮膚モデルを用いた実験は条件設定を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
タイトジャンクションの3次元構造の解析を継続する。 培養皮膚モデルにおいて層板顆粒の輸送を調節する遺伝子の発現の操作についてさらなる予備実験を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度の学会発表への旅費、論文執筆にかかる英文校正料にあてるため。
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