研究課題/領域番号 |
17K10224
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50322946)
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研究分担者 |
澤村 大輔 弘前大学, 医学研究科, 教授 (60196334)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乾癬 / 間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
1.mASCの乾癬モデルマウスへの治療効果の解析:ASCの乾癬病変に与える影響を確かめるため、TLR7のリガンドであるイミキモドをマウスに連日塗擦、人工的に乾癬病変を作成。培養mASCを静脈投与し乾癬の皮膚症状を経過観察。 1-1) mASCの採取、機能解析:①C57BL/6マウス鼠径より脂肪を採取、コラゲナーゼ処理後細胞を回収、培養。②FCM・ソーティングでCD31、CD45陰性、CD90、CD105、Sca1陽性の細胞を回収、mASCとして培養。③培養中の培養液を用い、サイトカイン産生をELISA解析。 1-2) 乾癬モデルマウスの作成:①C57BL/6背部皮膚にイミキモドを連日外用する。乾癬様紅斑局面が出現する時期を確認、組織学的に乾癬と一致する所見が得られるか確認。②イミキモド外用による乾癬病変を作成、培養mASC(1×106個)を尾静脈から投与。③イミキモド外用を継続しながら、乾癬病変の臨床的な改善度を経時的に観察。④14日後、mASC非投与群も含めて皮膚生検を行い、組織学的検討。 1-3) mASCの乾癬病変での局在の確認:①培養mASCを生細胞染色キットにて蛍光でマーキング。②イミキモド誘導性乾癬モデルマウスに尾静脈投与、14日後皮膚生検。③蛍光顕微鏡で蛍光mASCの存在を確認。 1-4) mASCのTh1、Th17、Tregに与える影響:イミキモドで誘導させた乾癬病変をもつ耳介からリンパ球を収集、Treg、Th1、Th17をソーティングで回収。個別にmASCと共培養し、サイトカイン産生の変化、mASCの細胞接着分子の発現の変化を確認。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1-1) mASCの採取、機能解析:①C57BL/6マウス鼠径より脂肪を採取、コラゲナーゼ処理後細胞を回収、培養できた。②FCM・ソーティングでCD31、CD45陰性、CD90、CD105、Sca1陽性の細胞を回収、mASCとして培養した。③培養中の培養液を用い、サイトカイン産生をELISA解析した。 1-2) 乾癬モデルマウスの作成:①C57BL/6背部皮膚にイミキモドを連日外用する。乾癬様紅斑局面が出現する時期を確認、組織学的に乾癬と一致する所見が得られるか確認できた。②イミキモド外用による乾癬病変を作成、培養mASC(1×106個)を尾静脈から投与できた。③イミキモド外用を継続しながら、乾癬病変の臨床的な改善度を経時的に観察。④14日後、mASC非投与群も含めて皮膚生検を行い、組織学的に乾癬の組織像を確認した。 1-3) mASCの乾癬病変での局在の確認:①培養mASCを生細胞染色キットにて蛍光でマーキング。②イミキモド誘導性乾癬モデルマウスに尾静脈投与、14日後皮膚生検。③蛍光顕微鏡で蛍光mASCの存在を確認できた。 1-4) mASCのTh1、Th17、Tregに与える影響:イミキモドで誘導させた乾癬病変をもつ耳介からリンパ球を収集、Treg、Th1、Th17をソーティングで回収。個別にmASCと共培養し、サイトカイン産生の変化、mASCの細胞接着分子の発現の変化を確認している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度計画で十分な成果が得られなかった項目については引き続き検討を行う。 ASCの乾癬に対する有効性の評価:乾癬にASC補充療法が有効か、乾癬患者から病変を採取し免疫不全マウスに移植、hASC投与による病変の変化を確認する。 1-1) 乾癬病変をマウスへ移植、hASC投与:①弘前大学大学院医学研究科倫理委員会の承認を得た後、同意が得られた乾癬患者の病変を切除。②免疫不全マウス背部に乾癬病変を移植。③培養hASCを局所もしくは尾静脈投与。④乾癬の改善度を経時的に観察、適宜皮膚生検を行う。⑤Th1、Th17、樹状細胞の局在、投与したhASCの生着を、免疫染色、生細胞染色キットにて確認する。
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