研究実績の概要 |
昨年度までに, 単球由来樹状細胞 (mDC)を用いて, mDCにヒスタミン受容体 (HR) 1, 2, 4がmRNA, 蛋白レベルで発現していることを確認し, HR1, HR2, HR4 agonist & antagonistで前処理したmDCにおけるHIV-1感染を検討したところ, HR2 antagonistが有意にmDCにおけるHIV-1感染を抑制すること, また肥満細胞から産生される血小板活性化因子 (pletlet activating factor;PAF)もmDCにおけるHIV-1感染を抑制すること, を見出した。今年度は, "HR2 antagonistとPAFのmDCにおけるHIV-1感染抑制メカニズム"について検討を行った。LPSによるmDC活性化をFACSにてCD83, CD86の発現で評価したところ, HR2 antagonist, PAF存在下ではmDCの活性化が抑制された。また, HR2 antagonistはHIV受容体であるCD4を発現を低下し, PAFはHIV受容体であるCCR5の発現を低下した。さらに, HR2 antagonist, PAFは内因性抗HIV因子のひとつであるAPOBEC3Gの発現を増強した。したがって, HR2 antagonist, PAFはHIV受容体の発現低下, また内因性抗HIV因子の発現増強を介してmDCにおけるHIV-1感染を抑制することが明らかとなった。
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