研究課題
尋常性乾癬やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の罹患率は増加傾向にあり社会問題となっている。皮膚は免疫組織としては最大の臓器の一つであるため、皮膚の慢性炎症により皮膚局所から産生されるサイトカインが生体の免疫に与える影響は甚大であり内臓臓器に影響を及ぼす。我々は自ら作成した自然発症皮膚炎モデルマウスを用いて、皮膚炎症病巣部から過剰に産生されるIL-1により、全身の炎症、特に血管病変・脂質代謝異常に加えて、全身性アミロイドーシスを生じるに至る可能性を詳細に検討し、内臓病変の一部が抗IL-1抗体の投与により回避でき、治療戦略を作成できる可能性を証明しPLoS One (2014)に報告した。そして乾癬やアトピー性皮膚炎が単に皮膚のみに影響を与えるに止まらず、全身の臓器にも深く関与することを証明し、“Inflammatory Skin March”という新規の概念を提唱した (Journal of Allergy and Clinical Immunology, 2015)。本研究では、更に脳血管病変、関節炎、アミロイドーシスの詳細を追求すると共に、尋常性乾癬の成因に於いて重要性が証明されているIL-17の関与、抗IL-17抗体の有用性に関しても検討している。現時点では予定通り心血管病変・脂質代謝に於けるIL-1α/β、TNF-α、IL-17の役割、また脂質代謝に於けるIL-1α/β、TNF-α、IL-17の役割を検討中である。
2: おおむね順調に進展している
平成29年度の予定であった1)心血管病変・脂質代謝に於けるIL-1α/β、TNF-α、IL-17の役割2)脂質代謝に於けるIL-1α/β、TNF-α、IL-17の役割についてデータが集積されつつあるため
平成30年度の想定している研究内容である1)アミロイドーシスに於けるIL-1α/β、TNF-α、IL-17の役割2)脳血管病変と脳機能に於けるIL-1α/β、TNF-α、IL-17の役割を予定通りに進行する予定である。問題無く実施できる予定である。
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