研究課題
尋常性乾癬やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の罹患率は増加傾向にあり社会問題となっている。皮膚は免疫組織としては最大の臓器の一つであるため、皮膚の慢性炎症により皮膚局所から産生されるサイトカインが生体の免疫に与える影響は甚大であると思われるが、適切なモデル動物が無く持続性サイトカイン血症が内臓臓器に与える障害を調べた報告は無かった。我々は自ら作成した自然発症皮膚炎モデルマウスを用いて、皮膚炎症病巣部から産生されるIL-1や他の炎症性サイトカインにより、全身の炎症、特に心血管病変・脂質代謝異常に加えて、全身性アミロイドーシスを生じるに至る可能性を詳細に検討し、内臓病変の一部が抗IL-1抗体の投与により回避でき、治療戦略を作成できる可能性を証明しPlos One(2014)に報告した。そして、乾癬やアトピー性皮膚炎が単に皮膚のみに影響を与えるに止まらず、全身の臓器にも深く関与することを証明し、“Inflammatory skin march”という新規の概念を提唱した (Journal of Allergy and Clinical Immunology, JACI, 2015)。従来、皮膚炎と全身的な臓器障害との結びつきに関する検討は少なかった。本研究では、慢性の皮膚炎に伴う脳心血管病変、関節炎、アミロイドーシス、脂肪代謝等の詳細を追求すると共に、治療法の解明に関して検討する。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 15件、 招待講演 3件)
J Allergy Clin Immunol.
巻: 143 ページ: 929-931
doi: 10.1016/j.jaci.2019.01.004.
Indian J Dermatol Venereol Leprol.
巻: 85 ページ: 531-534
doi: 10.4103/ijdvl.IJDVL_375_18.
Case Rep Dermatol.
巻: 11 ページ: 317-321
doi: 10.1159/000504429.
The Journal of Dermatology
巻: 46 ページ: 64-66
doi: 10.1111/1346-8138.14547.
Allergology International
巻: 23 ページ: 30135-2
doi: 10.1016/j.alit.2019.08.006.
Scientific Reports
巻: 5 ページ: 1410
doi: 10.1038/s41598-018-38108-y.
BMC Rheumatology
巻: 24 ページ: 15
doi: 10.1186/s41927-019-0063-x.
British Journal of Dermatology
巻: - ページ: -
doi: 10.1111/bjd.18550.
Case Reports in Dermatology
巻: 11 ページ: 194-197
doi: 10.1159/000501358.
巻: 46 ページ: 213-214
doi: 10.1111/1346-8138.14726.
巻: 11 ページ: 82-85
doi: 10.1159/000499030.