研究課題/領域番号 |
17K10255
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
多田 弥生 帝京大学, 医学部, 主任教授 (00334409)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乾癬 |
研究実績の概要 |
野生型マウスにイミキモドを連日(6日間)外用し、乾癬皮疹を誘導するが、連日PBSまたはガングリオシド(GM1, GM2, GM3, GD1a, GD3, GT1b)20ugを腹腔内投与している。乾癬皮疹の臨床的重症度(紅斑、浸潤、鱗屑)と組織を評価し、各ガングリオシドが乾癬皮疹を抑制できるかどうかを検討した。いずれのガングリオシドにおいても乾癬の臨床的改善をみとめている。また、浸潤する細胞(T細胞、樹状細胞、単球、好中球)の数を免疫組織学的に検討している。これも臨床的効果を反映し、病理組織学的にも改善効果を認めている。さらに、乾癬の病態形成に関与していることが考えられるサイトカインの発現をreal time PCRと免疫組織染色により解析することによって、どの細胞によって産生されるどのサイトカインがガングリオシドにより制御されているかを解析している。これらの解析によってガングリオシドが乾癬の病態に与える影響、特に炎症細胞浸潤やサイトカイン産生に与える影響が明らかになってきた。具体的なサイトカインとしては、Th1サイトカインIFN-g、CXCL9、CXCL10、CXCL11、Th17サイトカインおよびケモカインIL-17A、 IL-17F、IL-12p40、IL-23、CCL20、乾癬の病態形成に関与している各種サイトカインTNF-α、IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、IL-22について測定できている。乾癬の病態に関連するサイトカインについてのその発現抑制が認められ、ガングリオシドが乾癬の病態を改善する理由づけに繋がる結果が得られている。また乾癬の病態を抑制するサイトカインについては、条件によっては発言増強を認める場合があり、これも乾癬の臨床的改善の理由の裏付けとなりうると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GM1, GM2, GM3, GD1a, GD3, GT1bが再現性をもって乾癬のマウスモデルへの改善効果を認 めることを臨床的、組織学的(病理、免疫染色)、加えて皮膚でのサイトカイン発現への影響を確認できていて、その目的は達せられており、概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
GM1, GM2, GM3, GD1a, GD3, GT1bが、再現性をもって乾癬のマウスモデルにおいて改善効果を認 めることを臨床的、組織学的(病理、免疫染色)、加えて皮膚でのサイトカイン発現への影響が確認されたため、最適な投与量の検討を行い、臨床応用につなげたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の繰越金が1980円あるため。
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