研究課題/領域番号 |
17K10267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2019-2020) 東京医科歯科大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
上里 彰仁 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90547449)
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研究分担者 |
海野 真一 昭和大学, 医学部, ポストドクター (00735855)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 双極性障害 / 遺伝に関連解析 / 死後脳 / グルタミン酸 / リチウム |
研究成果の概要 |
本研究では統合失調症のグルタミン酸仮説に基づいた感受性遺伝子の疾患との関りを遺伝子関連解析、死後脳解析等の手法により解析した。 NMDA型グルタミン酸受容体足場タンパクをコードするDLG1遺伝子の新規機能バリアントについては、約4000人の患者・対象者コホートを用いた遺伝子関連解析により遺伝的関連を示し、更にこれが発症年齢特異的であることが明らかになった。 NMDA型グルタミン酸受容体のコ・アゴニストであるD-セリンの輸送に関わるSLC35B2については、統合失調症および双極性障害との遺伝的関連が示され、更に双極性障害の死後脳においてリチウム治療依存性の発現低下が明らかになった。
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自由記述の分野 |
精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症や双極性障害は患者のQOLに大きな影響を与える精神疾患であるが、その病態は十分に解明されていない。また現在までに様々な薬剤が開発されているが、十分に良好な予後を保証しているとは言い難い。本研究はこれらの精神疾患の更なる病態解明や、新規治療薬の開発の道を拓く可能性がある。すなわち既存の抗精神病薬はドパミン仮説に基づいたドパミン受容体遮断作用を基礎とするが、グルタミン酸仮説に基づく本研究成果は、グルタミン酸受容体遮断薬の開発に道筋をつけることができる。また双極性障害の治療薬であるリチウムはその作用機序が未解明であるが、本研究で得られた成果は疾患の病態・治療の両方の機序解明に示唆を与える。
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