研究課題/領域番号 |
17K10273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岩田 正明 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40346367)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | うつ病 / ストレス / 炎症 / NLRP3 / βヒドロキシ酪酸 |
研究成果の概要 |
ストレスはうつ病をはじめとする様々な精神疾患の病態に影響を与える。これまでの研究でストレスはNLRP3と呼ばれる細胞内受容体によって感知され、その結果炎症を介して脳神経を障害する可能性を示してきた。そこで本研究においては、NLRP3の活性化を抑制することが知られるβヒドロキシ酪酸(beta-hydroxybutyrate: BHB)を用いて、治療的介入法の開発を行った。その結果、BHBは脳に直接働いて抗炎症作用、および抗うつ効果を発揮すること、またBHBを経口投与することで抗うつ効果を示すことも明らかとなった。今後実臨床において応用されることが期待される。
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自由記述の分野 |
精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内におけるうつ病患者数は100万人を越えるとされ、社会経済的に大きな問題となっている。うつ病患者に対する治療の中心は抗うつ薬となるが、その薬理学的な作用機序はこの70年間変わっておらず、適切に抗うつ薬を使用したとしても約1/3の患者は改善しないと報告されている。本研究成果はこれまでの抗うつ薬とは異なり、ストレスによって引き起こされる脳内炎症を抑制するという全く新たなメカニズムに立脚したものであり、その効果が証明された意義は大きい。またBHBは生体内因性のケトン体であることから、今後身体的に負荷の少ない、自己治癒力を高めるうつ病治療法が確立されることが期待される。
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