研究課題
前年に引き続き、統合失調症の症例に対して、異常不随意運動評価尺度、薬剤性錐体外路症状評価尺度で神経症状について評価をおこなうと同時に、ニーマンピック病C型への罹患の可能性を評価する上で、重要な評価方法であるNPC Suspicion Index の項目で注目すべき神経症状(垂直方向の核上性注視麻痺、ジストニア、失調など)を伴う症例を追加して、ニーマンピック病C型のバイオマーカーと考えられている尿中胆汁酸をLC/MS/MS、血清オキシステロール測定をQ-TOF LC/MS にておこなった。今年度、追加して測定した統合失調症の症例では、それらバイオマーカーに関しては異常値を示さなかった。神経症状を伴う統合失調症において測定したバイオマーカーが異常値を示したものは、結果的に、現時点では1名であった。その症例については、確定診断にすすむべく皮膚線維芽細胞の培養に移った。加えて、神経症状のない統合失調症も含め、一般的な統合失調症患者を対象に、次世代シークエンサーを用いて、ニーマンピック病C型の原因遺伝子といわれているNPC1・NPC2遺伝子解析をおこなった。その結果、統合失調症症例1名でNPC1遺伝子のexonにアミノ酸置換を伴う未知の一塩基置換の変異を認めた。健常対照群には遺伝子変異をもつものはいなかった。また、一般的な統合失調症患者を対象に、健常人を比較対照群として、mRNA測定を行った結果、統合失調症群で有意に健常対照群より発現量が高かった。
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