研究課題/領域番号 |
17K10292
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
玉置 寿男 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (60345709)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | アルツハイマー型認知症 / うつ病 / serum myloid P component |
研究実績の概要 |
山梨大学医学部附属病院精神科に入院した患者のうち,50 歳以上で DSM-IVによってうつ病と診断された患者から治療の前後に採血した血清サンプル(40症例、80サンプル)についてELISA法で血清アミロイドP成分(SAP)濃度を定量した。 SAPとうつ病の重症度(HAM-D、BDI-II、GDS)、軽度認知障害(MCI)の有無、血漿中のアミロイドβペプチド(Aβ40、Aβ42、Aβ40/Aβ42比)およびApolipoprotein E(ApoE)遺伝子型との間に相関は見られなかった。 一方、治療後のSAPとWisconsin Card Sorting Test(WCST)の達成カテゴリー数(categories achieved: CA)との間に正の相関(r=0.49、p=0.045)を、また治療前のSAPと治療後のeZIS-extent(r=-0.47、p=0.038)ならびにeZIS-ratio(r=-0.58、p=0.0079)との間に負の相関を認めた。これらはいずれも認知機能障害や脳画像所見を改善する方向の変化であり、SAPはうつ病患者において認知機能障害や脳血流低下から保護的に作用する可能性が考えられた。 また、治療の種類別(薬物療法、電気けいれん療法)に治療前後のSAPの変化量を比較したところ、薬物療法では+0.50±6.62、電気けいれん量では+4.93±7.84と電気けいれん療法のほうが薬物療法よりもSAPが増加する傾向を認めた(p=0.097)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響でrepressor element 1-silencing transcription factor (REST)測定に必要なELISAキットが入荷せず、測定が行えなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
RESTの測定を行い、すでに測定済みの項目との間で統計学的な検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行の影響でREST測定に用いるELISAキットの納入のめどが立たなかった。納入され次第測定に着手する。
|