うつ病に対する治療後の時点で,血中SAPが高値であると認知機能検査(WCST)の結果も良好であることが,また治療前のSAPが高いと治療後のアルツハイマー病に関連する脳血流低下が改善することが見いだされた.これらの結果からSAPはうつ病患者での認知機能障害や脳血流低下に対し保護的に作用する可能性が考えられた. RESTに関しては,治療後の血中RESTが高いとWCSTの結果が良好であることが示された.このことからRESTはうつ病患者における認知機能障害に対して保護的に作用する可能性が考えられた.また,うつ病に対する治療前,治療後ともに血中REST濃度と血中SAP濃度が相関することが分かった.
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