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2019 年度 実施状況報告書

ADAM10を治療標的とする統合失調症の発症予防・遅延医療技術の創出

研究課題

研究課題/領域番号 17K10293
研究機関浜松医科大学

研究代表者

三河 須美子  浜松医科大学, 医学部, 助教 (70359743)

研究分担者 植木 孝俊  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60317328)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード統合失調症 / ミクログリア / ADAM10
研究実績の概要

脳内ミクログリア活性化に掛かる ADAM10 活性動態の技術が、統合失調症の発症初段階における超早期診断に有用であることを検証するために、妊娠中期への 母体への poly I:C 投与により遅発性の脳内ミクログリア活性化を引き起こし、さらに prepulse inhibition (PPI) 低下などの精神神経症状を来す統合失調症 病態モデルマウスを作製することを試みてきた。
本研究においては、この病態モデルマウスを用いて、MRI によりリアルタイムで脳内 ADAM10 の活性動態を描出しながら解析を行った。すなわち、可溶性 FKN の産生に掛かる ADAM10 の賦活を探知したマウスより急性脳スライスを調製し、MRI シグナルを生じる脳領野からレーザーマイクロダイセクション法でニューロ ン、アストロサイト、ミクログリアを採取した。そして、それらの細胞の mRNAを抽出し、DNAマイクロアレイで遺伝子発現を網羅的に解析を行った。 申請者らは、これまでに脳内ではアストロサイトが ADAM10 を発現していることを見出している。一方で、ミクログリアに発現する CX3CR1は可溶性 FKN の 結合で 神経毒性に、ニューロン膜結合型 FKN の結合で神経保護性に機能するが、その機能制御障害の分子病理は不明であった。そこで、DNAマイクロアレイに よる遺伝子発現解析の結果と照らして、アストロサイトにおける ADAM10 発現調節系、及び CX3CR1 と共役しミクログリアの活性化を制御する細胞内情報伝達系 を探索した。また、ミクログリア活性化を惹起する内因性分子を同定するために、病態モデルマウスの脳スライスを用いてプロテオーム解析を行い、統合失調症の初期段階で ADAM10 が賦活し、ミクログリア活性化による脳内炎症反応が惹起する神経病理を解析した。さらには、ADAM10と可溶性FKNの受容体CX3CR1について、その機能調節を担う脳内分子を探索してきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

病気による入院及び通院に時間を割く必要があったため。

今後の研究の推進方策

これまで、病気により研究に割く時間があまり取れない状態にあったが、完璧とまではいかないものの、研究を推進できそうな状態になってきた。今後は、研究に割ける時間を出来るだけ作り出せるよう努力し、そして、当初の目的である統合失調症発症の予防・遅延に向けた治療技術について研究を進めて行く。

次年度使用額が生じた理由

病気療養のため、実験が計画通りに終了せず遅延が生じたたことによる。実験器具類や薬品を購入に当てた予算を使い切ることができなかった。本年度は、ミクログリアの活性化に関わる病態プロテアーゼADAM10の脳内動態を解析し、ミクログリアの活性化に関わる脳内因子についての同定を試みる。また、ミクログリア活性化による脳内炎症反応が惹起する神経 病理を解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] BMP expression in the adult rat central nervous system2019

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Y, Mikawa S, Ogawa C, Masumoto K, Katou F, Sato K.
    • 雑誌名

      J Chem Neuroanat.

      巻: 98 ページ: 41-54

    • DOI

      10.1016/j.jchemneu.2019.03.004

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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