研究課題
基盤研究(C)
アレイCGH法で3q29欠失持つ統合失調症患者4例を同定し、後方視的に臨床表現型情報を調べた。全ての患者で治療抵抗性の特徴を有しており、治療抵抗性統合失調症の治療薬であるクロザピンを2例で使用し2例とも効果を認めた。脳内ネットワークについては、安静時fMRI画像データを用いて、統合失調症患者において視床と視覚野を結合する機能的ネットワークの結合性が亢進しており、その異常の程度が、注意障害と関連していることを報告した。
精神医学
本研究は、3q29欠失を持つ統合失調症患者を対象とした神経生物学的研究によって治療抵抗性統合失調症のメカニズム解明と治療薬開発に繋がる可能性を示した。一方、統合失調症における機能的脳内ネットワークの障害と注意障害との関係を明らかにした。今後3q29欠失を持つ統合失調症患者を対象に解析を行うことで3q29欠失が脳内ネットワークおよび認知機能に与える影響を検討することができる。