これまでCBTの作用機序について、心理学的視点から説明を試みた研究は数多い。心理学的視点からは、ネガティブな認知の減少や段階的な生活目標の実行による正の強化子の獲得など様々な理論から説明が行われてきた。本研究は認知的制御の観点からCBTの作用機序を脳レベルで直接検討している。本研究の進展により、従来とは異なった認知的情動制御の観点から技法上の工夫や改良が可能となり、CBTをより洗練し効果を高めることができる。さらに、CBTの認知的情動制御機構が実証されるだけでなく、CBTをはじめとして様々な精神療法の神経生理学的な理解につながる基礎的知見を得ることができ、臨床的な貢献も大きい。
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