研究課題/領域番号 |
17K10309
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 香川大学 (2018-2019) 長崎大学 (2017) |
研究代表者 |
黒滝 直弘 香川大学, 医学部, 教授 (20423634)
|
研究分担者 |
松坂 雄亮 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30728944)
小澤 寛樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (50260766)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 正常圧水頭症 / 認知症 / 繊毛機能不全 / 全エキソーム解析 |
研究成果の概要 |
私たちが経験した正常圧水頭症の家族集積症例で、何らかの遺伝要因があると仮定 し、罹患者と非罹患者に対し次世代型シーケンサーによる全エクソン解析を行ったところ、罹患者のみにCFAP43遺伝子の機能喪失変異を認めた。 CRISPR/Cas9を用いてノックアウトマウスを作成し解剖学 的、及び組織学的な解析を行たったところ、脳室内の繊毛の形態異常を伴っていることが確認された。ゆえに繊毛の機能異 常により髄液の循環不全が生じNPHを呈していたのではないかと考えた。今後は、脳外科医や神経科医との共同研究を広げ、症例を集積し、本研究で得られた結果の再現性や普遍性に関する検討を行うこととしている。
|
自由記述の分野 |
精神科
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歩行障害や尿失禁を伴う認知症である、正常圧水頭症のほとんどは直接の原因がはっきしりしない孤発例であるが、私たちが偶然遭遇した症例は家族の中に複数の患者さんがいるいわゆる家族症例であった。そこで、私たちがこの症例においては何らかの遺伝子変異の影響があるのではと考え、次世代型シーケンサーを用いた全エキソーム解析を行ったところ、CFAP43遺伝子の変異が見つかったので、そのノックアウトマウスを作り、解剖学的、組織学的検索を行った。その結果、脳室や呼吸器系における繊毛の形態不全や発育不全が起きていることがわかった。これはカルタゲナー症候群と類似の病態であり今後の薬物療法の開発に示唆を与えると思われた。
|