研究課題/領域番号 |
17K10314
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
大曽根 彰 獨協医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20194152)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 軽度認知障害 / ビタミンD / 介入研究 / Conversion / Reversion / 神経心理学的検査 / 頭部MRI / 頭部SPECT |
研究実績の概要 |
Alzheimer病(Alzheimer's disease: AD)は,初老期から老年期に発症する原因不明の認知症をきたす疾患である。神経病理学的な特徴には,海馬や大脳皮質の萎縮があり,顕微鏡的には,神経細胞の脱落,細胞外の老人斑や細胞内の神経原線維性変化が広範囲に認められる。老人斑や神経原線維変化の主要構成成分としては,それぞれアミロイドβ蛋白(Aβ),およびタウ蛋白(Tau)が高度のリン酸化された物質が同定されている。 特筆すべき事は2014年以降,Vitamin Dがこれらの認知症低下進行の各段階において,保護的な役割を果たしているのではないかとの研究が相次いでいる事である。 このため,軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)の被検者にVitamin Dの投与を行いつつ,3か月毎に認知機能評価に関する神経心理学的検査(MMSE,ADAS-Jcog,FAB)を1年間にわたって施行する。またⅠ年後には頭部画像検査(MRIおよびSPECT)を施行し,Vitamin Dの認知機能低下抑制の評価を行うのがこの研究の内容である。最終的には3年間で40例の症例に対するVitamin D補充療法の経時的な評価を行い,MCI患者の認知機能低下に対するVitamin Dの抑制効果の役割を明らかにすることを目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年間の経過を観察するため,3年間で結果を出すためには2年間で40例のエントリーが必要であった。予定通り40例のエントリーがあったが9例のドロップアウト(身体疾患罹患や認知症症状悪化のため来院不能,研究規約違反)があり,結局31例が経過観察,評価対象となった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,研究対象者の症状評価,画像の解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度には統計検定も加わるため,統計ソフトの購入が必要となる。 研究結果がまとまりつつあるため,国際学会での発表を睨み,旅費を必要とするため。
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