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2018 年度 実施状況報告書

電気けいれん療法の急性期作用期機序解明に関するマルチモーダルでの縦断的観察研

研究課題

研究課題/領域番号 17K10315
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

平野 仁一  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60574910)

研究分担者 山縣 文  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30439476)
杉浦 悠毅  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30590202)
内田 裕之  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40327630)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード精神医学 / 気分障害 / 電気けいれん療法 / 脳画像
研究実績の概要

2019年4月19日現在、15症例が登録されている。本年度は1年間で7症例の登録を行った。研究遂行にあたって有意な有害事象は認められていない。
電気けいれん療法(ECT:Electroconvulsive therapy)施行前後でMontgomery Asberg Depression Rating Scale(MADRS)総得点にて計測されうるうつ病の重症度は改善を示した。予備的な解析を行いfunctional MRI(fMRI)にて計測される安静時機能的結合性がECT施行前後で変化する傾向が確認された。また、MRIの構造画像解析では海馬を中心として灰白質の容積がECT施行前後で 増加する傾向、白質が変化する傾向が確認された。
本課題と関連した研究としてECT施行前後での安静時脳波の変化を計測することにより、うつ病で重要と考えられているデフォルトモードネットワークの主要な結節点の電気的活動をECTが修飾する事を明らかとした。この結果は過去のfMRIやPETの知見と矛盾しない。また、ECT後のせん妄リスクに関して文献的検討も行った。その結果、ECT後のせん妄に関して緊張病症状、脳血管障害、パーキンソン病、認知症、両側電極配置、高刺激、痙攣時間は危険因子となること、デクスメデトミジンの事前投与と超短矩形波は予防的因子になることを明らかとした。
本年度は画像解析の講習会に積極的に参加し、本研究にて行う画像解析技法並びに機械学習を用いた解析技法を習得した。現在ECT前後での脳波変化をmicrostate 解析を用いて解析中であり、ECT施行前の脳波を用いた効果予測のための予備的解析も行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年4月19日現在、2年間で15症例が登録されている。本年度は1年間で7症例の登録を行った。当初は1年間に10症例の登録を目指していたため概ね順調に進行していると判断される。また、研究遂行にあたって有害事象は認められていない。また、先端バイオイメージング支援プラットフォームのMRI画像講習会への参加、世界的に標準的な画像解析ソフトとされるSPMの講習会に参加して最先端の脳画像解析技術を習得した。また、ECT施行前の脳波を用いた効果予測のための予備的解析を行っている。

今後の研究の推進方策

概ね順当に遂行されている。4年計画の2年目であり、有意な結果を得るまで症例数が至っていない。このため次年度も引き続き症例登録を遂行していく。また、症例登録が円滑に行われるために広く対象症例を募っていく。また、脳波、MRI、NIRSに関して得られたデータをもとに解析を開始する。解析においては、機械学習の手法も取り入れ、高度な解析を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

本年度10症例登録の予定であったが、7症例の登録であったこと。想定よりMRIの撮像費用が必要とされなかったこと。また、データ整理等のための補助員の雇用 が通年とならなかったこと等の理由により次年度使用額が生じた。次年度は、本年度登録症例数に達しなかったことも含めて、症例登録を増やす予定であり、 次年度使用額と翌年度分を合わせて使用し研究を遂行していく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 電気けいれん療法はうつ病における安静時脳波のデフォルトモードネットワーク内の位相同期を調節する2019

    • 著者名/発表者名
      高宮彰紘、平野仁一、山縣文、武井茂樹、岸本泰士郎、三村將
    • 雑誌名

      Frontiers in human neuroscience

      巻: 13 ページ: 1-9

    • DOI

      10.3389/fnhum.2019.00001. eCollection 2019.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 電気けいれん療法施行後のせん妄に関連する因子2019

    • 著者名/発表者名
      辻井崇、内田貴仁、平野仁一、鈴木健文、三村將、内田裕之
    • 雑誌名

      Journal of ECT

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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