研究課題/領域番号 |
17K10320
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
柳 雅也 近畿大学, 医学部, 講師 (10418775)
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研究分担者 |
白川 治 近畿大学, 医学部, 教授 (40243307)
細見 史治 近畿大学, 医学部, 助教 (40580783)
川久保 善宏 近畿大学, 医学部, 助教 (40716429)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 脳波 / 前頭葉 / 聴性定常反応 / ガンマオシレーション |
研究実績の概要 |
ガンマオシレーションの指標を同定することを目的に、聴性定常反応(auditory steady-state response;ASSR)を利用して、統合失調症患者および健常者の前頭葉におけるガンマオシレーションを測定している。聴性定常反応とは、研究参加者に一定周期のリズム音を聞いてもらい、音刺激に同期した脳反応を脳波計で測定することによって、音刺激に反応する脳のわずかな反応を加算平均により測定するものである。これまでの聴性定常反応を用いた研究では、ガンマ帯域である40Hzや80Hzの周期音刺激により、統合失調症の前頭葉でガンマオシレーションの振幅(power)や位相同期(phase locking)が減少すると報告されている。本研究では昨年度に引き続き、聴性定常反応を用いたガンマオシレーションの測定を継続し、研究参加者から血液サンプルの取得を継続している。統合失調症患者におけるガンマオシレーションの計測では、これまでの報告と一致して、統合失調症の前頭葉では、40Hzの調整定常反応においてガンマオシレーションに減少がみられることが確認できている。さらに現在、統合失調症におけるガンマオシレーションの減少をよりシステマティックに定量できる手法を検証しており、バイオマーカーとしての開発を目指している。なお、本研究は近畿大学医学部倫理員会で承認された研究であり、研究参加者には書面を用いて説明し、同意を得たうえで研究協力を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血液サンプルは入手出来ている一方で、遺伝子解析はいまのところおこなえていないが、統合失調症におけるガンマオシレーションの障害を定量できるバイオマーカーについて、他方面からのアプローチをおこなっており、結果が出つつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在得られているガンマオシレーションのバイオマーカーについてさらに深く検討し、今後の統合失調症の大規模臨床研究に用いることのできるものを開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究費が獲得できなかったため、ガンマオシレーションを測定している誘発反応検査装置のリース料を引き続き来年度も当該科研費より支払う必要が出てきたため、今年度に遺伝子解析を予定していた費用を来年度の機器リース料へ回せるよう予定を変更した。
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