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2019 年度 実績報告書

特定の出生コホートの発生率調査で把握した自閉スペクトラム症の症例の長期追跡調査

研究課題

研究課題/領域番号 17K10323
研究機関信州大学

研究代表者

本田 秀夫  信州大学, 医学部, 教授(特定雇用) (20521298)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード自閉スペクトラム症 / 長期追跡 / 成人期 / 累積発生率調査
研究実績の概要

本研究の目的は,特定の出生コホートを対象とした自閉スペクトラム症(ASD)発生率調査で把握された278名の長期追跡を行い,成人期の心理社会的転帰を調査することである。最終年度は,大きく3つの作業を行った。
まず,昨年度に引き続き,研究対象に対して面接による調査を実施した。昨年度までに212名の親に研究協力依頼の電話入れを行ったので,今年度は残りの66名に対して電話および郵送で依頼を行い,連絡がとれた17名の親に対して書面で研究の趣旨を説明し,承諾を得て本研究のために契約した調査員(心理士)による面接調査を実施した。調査内容は,VinelandⅡ適応行動尺度,PARS-TR(親面接式ASD評定尺度),ABC-J(異常行動チェックリスト日本語版),生活にかんする調査票である。調査記録は,鍵のかかる部屋の中のキャビネットで保管し,外部に漏洩しないよう厳重に管理を行った。
次に,上記対象のうち同意が得られた39名の本人に対して,面接による調査を行った。調査内容は,日本語版自閉症スペクトラム指数,WHOQOL26(生活の質に関する調査),ウェルビーング尺度,主要5因子性格検査,完全主義尺度である。面接は上記の調査員によって行われ,依頼や同意の手続き,記録の保管方法は上記と同様である。
最後に,これまでに得られた親と子,延べ390名分の調査結果について,集計・解析作業を行った。
その結果,今回の対象となったASDの成人期の心理社会的転帰は,従来に比べて比較的良好であることがわかった。幼児期より個々の特性に応じた環境設定や支援が提供されることによって,それなりに安定した成人期の生活を送ることが可能であることが実証された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 学童期・思春期の発達障害の子どもたちへの医療の関わり2020

    • 著者名/発表者名
      本田秀夫
    • 雑誌名

      小児の精神と神経

      巻: 60 ページ: 29-37

  • [雑誌論文] 発達障害の地域支援におけるインターフェイスと就学支援2019

    • 著者名/発表者名
      本田秀夫
    • 雑誌名

      Monthly Book Medical Rehabilitation

      巻: 237 ページ: 31-36

  • [雑誌論文] 併存する自閉スペクトラム症状とADHD症状-神経発達症症例の症状構造をどう診立てるか-2019

    • 著者名/発表者名
      本田秀夫
    • 雑誌名

      臨床精神医学

      巻: 48 ページ: 1131-1135

  • [学会発表] 学童期・思春期の発達障害の子どもたちへの医療の関わり2019

    • 著者名/発表者名
      本田秀夫
    • 学会等名
      第121回日本小児精神神経学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 子どもから大人への発達障害診断2019

    • 著者名/発表者名
      本田秀夫
    • 学会等名
      第1回日本成人期発達障害臨床医学会総会・学術集会
  • [学会発表] 発達障害の重複と操作的基準の問題点。シンポジウム5:発達障害の診断の到達点と課題-DSM-5,ICD-11をふまえて-2019

    • 著者名/発表者名
      本田秀夫
    • 学会等名
      第39回日本精神科診断学会
  • [学会発表] 神経発達症の診断-自閉スペクトラム症とADHDとの関係を中心に-2019

    • 著者名/発表者名
      本田秀夫
    • 学会等名
      第60回日本児童青年精神医学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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