研究実績の概要 |
本研究では、主観的な心理的ストレスと唾液中のサイトカイン及びコルチゾールとの関係を明らかにし、心理的ストレスマーカーとしての有用性を評価することを目的としている。さらに、主観的睡眠感とアクチグラフによる睡眠評価データとの関連、睡眠と生活スタイルとの関連、睡眠や生活スタイルがストレスや唾液中サイトカイン及びコルチゾールに与える影響について調べることを目的としている。これまでに、47名(男児27名、女児20名、平均年齢(標準偏差) 11.1 (3.4)歳;20名はASD and/or ADHDの診断あり)の唾液を採取し、そのうち39名(男児24名、女児15名:平均年齢(標準偏差)10.9 (3.0) years;17名はASD and/or ADHDの診断あり)の唾液中サイトカインおよびコルチゾールの測定と予備的な解析を行った。一部のコルチゾールとサイトカイン/ケモカイン27種類を測定し、コルチゾールおよび18種類のサイトカイン/ケモカインで80%以上の検出率を得られた。IL-1β, IL-1RA, IL-6, IL-7, IL-8, IL-12p70, IL-17A, G-CSF, IFN-γ, MCP-1, RANTES, TNF-α, VEGFでASD and/or ADHDの診断ありの群となしの群で有意な差(P < 0.01, Mann-Whitney’s test)を認めたが、まだ予備的な解析であり結果の解釈には注意が必要である。また参加者のうち7名に対し3日間のアクチグラフ装着による活動の測定を実施し、日中活動量、睡眠時間、睡眠潜時、睡眠効率、中途覚醒時間などを算出した。
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