本研究は、統合失調症患者を対象に、認知機能障害サブタイプの同定の検討では、全般的認知機能領域障害群、全般的認知機能良好群と部分的認知機能領域障害の2群で、計4つの認知機能障害サブタイプが同定された。次の各認知機能障害サブタイプ間の脳機能比較では、特に難易度が高い認知課題である作業記憶課題遂行時のNIRS信号において、特に右外側において有意な違いを認めた。また、統合失調症患者の前頭葉機能に基づいて前頭葉機能異常サブタイプの同定と各サブタイプ間の認知機能の違いが認められた。統合失調症の異質性を解明することは、サブタイプに特化した治療法の開発などにつながる可能性があることが示唆された。
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