ADOS-2にて自閉症と診断された8名の対象児において対象児の適応行動尺度、情緒、行動上の問題、養育者(母親)の育児ストレスや心理的ストレスなどについて評価を行い、介入前と介入1年後の改善度に関して解析を行った。Vineland-II適応行動尺度の適応行動総合点は有意に改善した(介入前:70.25±10.51 vs 介入後:79.62±16.19、p=0.034)。領域標準得点では、社会性(介入前:56.62±14.26 vs 介入後:72.50±21.06、p=0.018)に有意な改善が認められた。下位領域では、対人関係(介入前:9.12±2.16 vs 介入後:11.12±1.80、p=0.018)の有意な改善を認めた。一方、養育者の育児ストレスや子どもの問題行動の評価尺度では介入前後で改善が認められなかった。適応行動総合点の改善率、社会性の領域標準得点の改善率は、いずれも年齢とは相関が認められなかった。ADOS-2による比較得点との相関では、自閉症の重症度が低いほど、社会性の領域標準得点の改善率が高い傾向を認めた。知的発達水準の評価は、5例においてウェクスラー式知能発達検査による介入前後の比較が行われた。個人によるばらつきが大きかったが、介入前後で改善を認めた(改善率:平均13.0%、中央値:17.20%)。
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