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2019 年度 実施状況報告書

簡易客観的精神機能検査による「うつ病エピソード」の型分類は治療計画立案に有用か?

研究課題

研究課題/領域番号 17K10335
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

丹羽 真一  福島県立医科大学, 医学部, 名誉教授 (30110703)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードうつ病
研究実績の概要

令和元年度までに、次のような実績を重ねた。すなわち、健常者における臺式簡易客観的精神指標検査(UBOM-4)の成績をまとめ、「一般人におけるUBOMの標準的値とそれに影響を与える要因の検討」というタイトルの冊子とし、UBOM-4, a New Scale for Psychic Function and Energy: General Population Normative Values and Influencing Parametersのタイトルの論文として発表した(Gotoh, D et al, Open Journal of Psychiatry 8: 390-412, 2018)。また、以下のように学会発表を行ってきた。
〇第9回東北精神保健福祉学会 山形市 平成30年9月30日 後藤大介、吉田久美、星野大、秋山美子、藤本聡、丹羽真一 うつ状態―SDSによる重症度自己評価とUBOMによる客観的精神機能評価 〇日本デイケア学会第23回年次大会 浦安市 平成30年10月19日 丹羽真一 簡易でSDMに役立つ精神機能指標を求めて~UBOMの紹介と実際~ 〇第18回精神疾患と認知機能研究会 東京都  平成30年11月10日 後藤大介、吉田久美、星野 大、秋山美子、藤本 聡、丹羽真一 うつ状態―SDSによる重症度自己評価とUBOMによる客観的精神機能評価
その上で令和元年度には、UBOM-4の検査者間一致度を明らかにする、自閉症スペクトル障害(ASD)・統合失調症・健常者の3群の比較からASDの精神生理学的特徴を把握する、SDSにより抑うつ状態と判断される患者を健常者などから判別するために有効なUBOM-4指標の検討、ICD-10にてうつ病と診断される患者のうつ状態とUBOM-4成績の変化の追跡研究を行った。 その結果については7.現在までの進捗状況で詳しく紹介する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

5の研究結果に示したように、研究目的とした課題について研究を行い、各課題について研究結果を得て論文にまとめ発表したり、論文として投稿したり、学会発表したりできているからである。 令和元年度には、UBOM-4の検査者間一致度を明らかにする、自閉症スペクトル障害(ASD)・統合失調症・健常者の3群の比較からASDの精神生理学的特徴を把握する、SDSにより抑うつ状態と判断される患者を健常者などから判別するために有効なUBOM-4指標の検討、ICD-10にてうつ病と診断される患者のうつ状態とUBOM-4成績の変化の追跡研究を行った。 また学会発表も3回行った。
検査者間一致度の検討については、5名の検者が20名の被検者を対象にUBOMを測定した結果をまとめて「臺式簡易客観的精神指標テスト(UBOM-4)の検査者間一致度の検討」のタイトルの論文として投稿作業を進めているところである。 UBOMを広汎性発達障害成人、統合失調症成人に対してUBOMを施行し、両群の類似点、相違点を検討した結果をまとめ、「広汎性発達障害と統合失調症の機能障害の比較検討-UBOM-4を用いて」のタイトルの論文として投稿作業中であるSDSにより抑うつ状態と判断される患者を健常者などから判別するために有効なUBOM-4指標の検討については、SDS点数によりうつ状態群と判定される40名を対象とした。うつ群と健常群との間にUBOMの各指標に有意な機能差を認め、バウム画型についてもうつ群では普通画が少なく出現パターンに有意差を認めた。
ICD-10にてうつ病と診断される患者のうつ状態とUBOM-4成績の変化の追跡研究については、現在までに約10名の新患うつ病患者について経過追跡中である。

今後の研究の推進方策

以下の論文発表作業をひきつづきすすめる。すなわち、「臺式簡易客観的精神指標テスト(UBOM-4)の検査者間一致度の検討」の論文、「広汎性発達障害と統合失調症の機能障害の比較検討-UBOM-4を用いて」の論文である。 また、SDSにより抑うつ状態と判断される患者を健常者などから判別するために有効なUBOM-4指標の検討についての論文化の作業を進める。 ICD-10にてうつ病と診断される患者のうつ状態とUBOM-4成績の変化の追跡研究については、主なフィールドとして想定した福島医大・会津医療センターでの新患のうちうつ病と診断される患者で研究に同意頂ける方が思いのほか少なく、患者登録に苦慮してきたので、会津医療センターでの収集を引き続き進める一方で、福島市の南福島ひまわりクリニックでの対象とできる患者収集を行うことができるように、倫理委員会に協力施設を追加する変更を申請しているところである。

次年度使用額が生じた理由

本研究計画では、1)UBOM検査の信頼性検証、2)健常者データ標準化、3)うつ病エピソードと診断される患者につき治療経過に沿って60名から資料を得ることとしており、現に実施している。1)、2)については完遂したが3)については初診申込み患者に研究協力を依頼しているが、承諾いただける患者が少なく、思うように資料が得られていない。なるべく多くの患者から資料を得るようにしたい。また、データ処理をスムーズにするためにデータ処理ソフトの購入を検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] うつ状態 - SDSによる重症度自己評価とUBOMによる精神機能評価2019

    • 著者名/発表者名
      丹羽真一、後藤大介
    • 学会等名
      第115回日本精神神経学会
  • [学会発表] 簡易でSDMに役立つ精神機能指標を求めて -UBOMの紹介と実際2019

    • 著者名/発表者名
      丹羽真一
    • 学会等名
      第25回SST全国経験交流会ワークショップin徳島
  • [学会発表] SDSにより「うつ状態」と判定された患者のUBOMによる客観的精神機能評価2019

    • 著者名/発表者名
      後藤大介
    • 学会等名
      第10回東北精神保健福祉学会秋田大会

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公開日: 2021-01-27  

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