研究課題/領域番号 |
17K10346
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
清野 仁美 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20595417)
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研究分担者 |
湖海 正尋 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70258143)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | うつ病 / 対人関係療法 / 心理教育 / 妊産婦 |
研究実績の概要 |
日本人うつ病合併妊産婦に対する対人関係療法の予防・治療的効果を検証することを目的として、兵庫医科大学病院にて周産期管理を行ううつ病合併妊婦のうち、本研究の主旨に対する理解と同意が得られた者に対し、対人関係療法実施群と心理教育実施群の予防・治療効果を比較する単施設無作為化比較試験を行った。原則として妊娠12週~28週において週1回45分×16回、精神科外来診察室にてトレーニングを受けた精神科医が行った。対人関係療法群では初期にはうつ病と対人関係の状況をアセスメント、対人関係質問項目の実施治療の枠組みと構造設定、フォーミュレーションの提示と同意の取得、患者に病者の役割を付与を行い、中期には問題領域(悲哀/役割をめぐる不和/役割の変化/対人関係の欠如)における目標と戦略の確立、感情表出促進、重要な他者とのやりとりと、患者がそれをどのように扱ったかに焦点をあてる、感情と対人関係の結果の結びつけ、ロールプレイを実施した。終結期には終結についての話し合い、患者に自立した能力があるという認識の共有を行った。心理教育群では共通の教材を用いて①妊娠期の身体的変化、妊娠合併症、胎児の発育、②出産のプロセス、産後の身体的変化、授乳、新生児~乳児期の育児、③周産期におこりうる心理的変化、心理社会的援助、周産期の精神科治療、④周産期のコーピングスキルについての教育を行った。精神医学的評価として自己記入式評価尺度および精神科医による客観的評価を介入前、介入後、産後1週間、産後1か月で実施し各評価尺度のスコアの群間比較、経時的変化の評価を行い、介入の治療的効果、産後精神障害の発症率、産後の母親機能、母子関係などへの影響をprospectiveに検証した。平成29年度の結果においては両群に統計学的な有意差は認めなかったが、引き続き対象者数を増やして検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
妊産婦の体調や急な入院等により16回の介入プログラムが完遂できずに脱落するケースがあるため
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今後の研究の推進方策 |
引き続き対象者を募り、妊産婦の体調や入院などによる予定変更にもフレキシブルに対応してプログラムを実施できるよう体制を整備していく
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた備品(ノートパソコン)、消耗品について既存のもので代用でき、購入が不要であったため次年度使用が生じた。研究に必要な消耗品の購入などに使用を予定している。
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