研究課題/領域番号 |
17K10347
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
菅原 典夫 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナル・メディカルセンター, 室長 (80431435)
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研究分担者 |
古郡 規雄 (安井規雄) 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (20333734)
一家 綱邦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (50453981)
橋本 有生 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (90633470)
冨田 哲 弘前大学, 医学研究科, 助教 (90736365)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 同意能力 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
本研究では、患者の治療同意能力と精神症状との関連性を評価し、民法や医事法などの法学的観点からも社会への実装を検討した治療同意能力の包括的評価プログラムを開発することを目指している。 本年度は、前年度に遅延していたフィールド調査について、各施設の倫理委員会の承認を得て、調査を開始することが出来た。これまでに20症例以上の参加者を得ており、当初計画の遅延を回復できたものと考える。調査実施体制整備のため、学会などの機会を活用し、共同研究者との打ち合わせを行うとともに、新たな調査協力者を得たことも、調査計画推進に寄与したと考えられる。また、集積してきた先行研究の到達点について実施したReviewが年度内にFront Psychiatry誌に受理されたことも大きな前進であった。このReviewでは、認知機能障害により同意能力を説明できる可能性が高いと考えられている現状を明らかにしているが、次年度に実施する統計学的解析において、新たな知見が得られることを期待したい。なお、当初の計画していた法学専門家を交えた学会シンポジウムについても本年度中に企画を進め、次年度は公開の場において包括的評価プログラム開発を目指し、治療同意能力をめぐる討論を行う予定である。 今後も統計学的検出力を確保できるよう調査協力者の確保に努め、最終年度の総括を行いたい。そのために必要な場合、次年度にも調査実施の協力施設や研究協力者を拡充・整備をはかるなど、必要な対応を積極的に行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度、調査実施を延期した反省から、フィールド施設に在籍する共同研究者の臨床的負担を考慮した上で、新たに調査協力者を得た。この上で、各施設の倫理委員会の承認を得て、既に20症例以上の参加者を得ている。 こうしたフィールド調査推進に向けたエフォートに加え、投稿したReviewの査読にも対応し、論文受理の成果を得た。加えて、当初計画に合った法学専門家を交えたシンポジウム開催についても、企画を進め、次年度の開催予定となっている。 以上の状況からみて、前年度の計画遅延分を回復した上で、フィールド調査以外の計画についても進捗が認められ、概ね当初の到達目標を達成しつつある状況と考える。
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今後の研究の推進方策 |
フィールド施設に在籍する共同研究者の臨床的負担には今後とも配慮して、調査を進める予定である。必要な場合、次年度にも調査実施の協力施設や研究協力者を拡充・整備をはかる。また、次年度は最終年度であるため、フィールド調査、シンポジウムなどの場面を通して本計画の総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画より遅延していた時期があった影響で、残金が生じた。次年度以降のフィールド調査およびシンポジウム等、研究総括の参考資料に係る支出に充てる予定である。
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