研究課題
基盤研究(C)
牽引性気管支拡張の経時的変化を評価するため、異なる時期の同一気管支の平均断面積を測定し、比較した。その方法として、商業ベースの画像解析ソフトウエアZio Stationを用いて個々の症例検査のDICOM画像から気管支を分離し、次いで自作の木構造対応アルゴリズムを用いて異なる時期の同一気管支を特定して両者を比較できるようにした。間質性肺炎の23例70検査のデータを解析した結果、急性増悪発症時やその後の経過で、時期により平均断面積が異なり、気管支の形態が多様に変化することが明らかになった。
放射線診断学
牽引性気管支拡張は間質性肺炎の予後や治療方針を決定する上で重要なCT所見である。一方で、従来その評価は目視で行われているため、客観性や再現性に問題があった。本研究では、平均断面積を比較する際に、木構造対応アルゴリズムにより異なる時期の同一気管支を特定するため、客観的かつ再現性の高い定量的な評価が可能である。このような進歩的な検査方法の可能性を提示したことは、間質性肺炎を臨床的に評価する上で、学術的、社会的に意義があると考える。