研究課題/領域番号 |
17K10351
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村田 隆紀 東北大学, 大学病院, 助教 (70390929)
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研究分担者 |
阪本 真弥 東北大学, 大学病院, 講師 (90157686)
麦倉 俊司 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (20375017)
高橋 昭喜 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80148874)
田村 元 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (20333817)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔癌 / ダイナミック造影MRI / non-EPI 拡散強調画像 / 320列面検出器CT |
研究実績の概要 |
口腔癌では顎骨への癌の直接浸潤の有無や浸潤の範囲を正確に診断することが治療方針の決定に重要であるが、従来の画像診断ではこれらを正確に評価することが困難で、客観的な指標はなかった。われわれは「口腔癌の顎骨浸潤(腫瘍)」と「骨髄浮腫・炎症 (非腫瘍)」の鑑別に有効な客観的画像指標の確立をめざし、320列面検出器CT、3テスラMRIの特殊撮像であるnon-EPI拡散強調画像によるADC、motion sensitized driven equilibrium(MSDE)法、ダイナミック造影MRIのtime intensity curve (TIC) による検討を行った。320列面検出器CTでは歯科治療後の金属からのアーチファクトを低減する手法を組み合わせることで骨浸潤の診断能は向上したが、腫瘍の進展範囲の評価は十分ではなかった。Non-EPI拡散強調画像に関しては、ゆがみの少ない画像を得ることができ、浮腫や炎症などの非腫瘍に比して腫瘍では低いADCを示す傾向が見られ、両者の鑑別に有用と考えられた。ただし、歯科治療後の金属からのアーチファクトが強い場合にはADC値の信頼性が低下する場合があり、今後の課題と思われた。MSDEでの造影領域は偽陽性の場合もあり、他の撮像法と組み合わせが必要であった。TIC の検討では、viable な腫瘍の多くがrapid-plateau pattern を呈するのに対し、骨髄浮腫・炎症など非腫瘍では rapid-persistent patternを示す傾向が見られ、両者の鑑別に有用と考えられた。 従来の撮像法では難しかった「口腔癌の顎骨浸潤(腫瘍)」と「骨髄浮腫・炎症 (非腫瘍)」の鑑別に関し、本研究で用いた320列面検出器CTでの骨の評価および3テスラMRIによる特殊撮像を組み合わせることで診断能が向上する可能性が示された。
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