研究課題
デュアルエネルギーX線コンピュータ断層撮影 (DECT)のX線エネルギー依存性に対応した水等価及び人体組織等価ファントムは現在存在しないことから,数種の安定した物質(ポリプロピレン,アクリル,ハイドロキシアパタイトなど)を利用して,正確に人体と等価なエネルギー依存を示すファントム物質を本研究課題では開発する.令和元年度では,前年度において,許容誤差(2HU)に満たなかった水等価及び軟部組織等価物質の精度向上に取り組んだ.再度の依頼により製作されたサンプルについて,DECTが可能な2管球方式マルチスライスCT装置,シーメンス社製Somatom Definition Flash(所属大学の附属病院に設置)にてエネルギーセパレーション性能の高い80 kVと140 kV(Snフィルタ付加)のDECTモードを用い可能な限り高い線量にてデータ収集した.その結果,理論的CT値との差が許容誤差内におさまり,水等価及び軟部組織物質が完成した.その後,ファントムメーカとの協議の結果,この研究成果を応用し,汎用性が高い水等価物質に絞った開発をすることとなり,長期安定性などの検証を行った.さらに,そこにヨードを混練し希釈造影剤(すなわち,造影された血液に近似)と等価となる物質の開発を共同で行った.希釈造影剤等価物質は2 mg/mlと12 mg/mlの2つの濃度を製作し,それぞれ許容誤差内とすることができた.本研究の成果は直接的に製品開発に貢献し,水等価及び異なる濃度を持つ希釈造影剤等価物質の製品化に至った.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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