研究課題/領域番号 |
17K10359
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
市川 泰崇 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (80725127)
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研究分担者 |
中山 良平 立命館大学, 理工学部, 准教授 (20402688)
永田 幹紀 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40402028)
佐久間 肇 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60205797)
市原 隆 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90527748)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肝機能 / 肝線維化 / 門脈血流 / 肝予備能 / CT / パーフュージョンCT / 肝機能シンチグラフィ |
研究実績の概要 |
本研究では肝パーフュージョンCT検査において、高時間分解能と低被ばくを両立する撮影法の確立とその最適化を行った。造影注入直後より肝全体を1.5秒毎に連続撮影する約60秒間のパーフュージョン撮影において、80kVの低電圧撮影や新たな再構成法の導入、撮影パラメータの最適化を図り、肝パーフュージョンCTの撮影にかかる被ばく量を、一般的なダイナミック造影CTと同程度以下(約10mSv)に抑えることが可能であった。また肝パーフュージョンCTは自由呼吸下で撮影することから、各画像での位置ズレを生じるが、非剛体位置合わせを利用しその補正を行って、ブレの少ないパーフュージョン画像が得られることを確認した。こうして最適化を図った肝パーフュージョン画像を、dual-input法を用いた数理モデル処理を行って、門脈血と動脈血のそれぞれの肝血流マップが作成可能となった。さらに肝血流マップから、肝内血管成分を取り除き、肝実質の血流のみをマップ表示する手法を開発した。これにより簡便に、肝全体及び局所の血流量を、門脈血と動脈血に分けて評価可能となった。この手法を用いることにより、肝切除前に残肝の門脈血流量残存率や動脈血流量残存率の算出が可能となった。 Tc-99m GSA肝受容体SPECT画像に関しては、散乱補正やCTによる吸収補正を行って、定量性の高いSPECT画像を生成し、その有用性に関する検討を進めた。SPECT定量評価によって求めた肝トレーサー摂取率は、病理学的な肝線維化の程度と有意に相関することがわかり、また重度の肝線維化(F4)を、高い診断精度で検出できることが判明した、この研究成果は、2018年10月のヨーロッパ核医学会年次総会(EANM, Dusseldorf)や2019年12月の北米放射線学会年次総会(RSNA, Chicago)にて報告した。
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